みなさんこんばんは。
今回はユダヤ人の智恵 世界最高の”成功者集団”の秘密を読んだ感想です。
自分が子供の時、母親が「ユダヤ人の真似をしなさい」とずっと言っていることがありました。そのユダヤ人の英知を学ぶため、本書を読みました。
著者は?
加藤英明氏です。
外交評論家であり、ブリタニカ国際大百科事典の初代編集長でもあります。ユダヤ人の友人も多いと、本書籍に書かれています。
印象に残った内容は?
いったいユダヤ人とはどんな民族なのか
私はあるとき、ニューヨークで親しいユダヤ系の教授に、質問をしてみた。すると、笑いながらこんな答えを返してきた。
「そんな質問に、はっきりとした答えがあるわけがないよ。ユダヤ人国家であるイスラエルにおいてさえ、もう長い間、ユダヤ人の定義について論争が行われているのだよ」
ユダヤ人がどこの人間か確かにわかりませんでした。
アメリカ人のようなユダヤ人がいればアラブ系のユダヤ人もいて不思議に思っていましたが、なるほどイスラエルでも議論されていることなのですね。
ユダヤ人とは
ナチス・ドイツがユダヤ人排斥を国是として、最後にユダヤ人の物理的な抹殺をはかったことは、皆さんご存知だろう。ナチス・ドイツは、結局、ユダヤ人を「人種」として定義づけた。ドイツ政府はヒトラーが政権を握ってから5年後の1935年9月に政令を発し、「それぞれの祖父母の2人以上がユダヤ人である人をユダヤ人とする」と定めたのである。
たしかに、ユダヤ人は源流をさかのぼれば中東のセム系民族だから、今日でもセム族に特徴的な骨相をとどめている人々がいる。しかしユダヤ人は血によってユダヤ人になるものではない。ユダヤ教という「思想」に従って生きることで、ユダヤ人になるのだ。
先ほどの答えが、こちらの「思想」になります。
昔ナチス・ドイツでは、人種として定義づけたようですが、思想の方がしっくりきますね。
五千年間ユダヤ人を縛り続けた、この凄い戒律
ユダヤ教の戒律は、複雑だ。たとえば食物について何を食べて良いか、という戒律を例に取ってみよう。動物でヒズメが二つに割れているものと反芻するものは、ブタ、ウサギ、ラクダ、タヌキを除けば、すべて食べてよい。水に棲むものは、ヒレとウロコのある魚以外、食べてはならない。エビ、タコ、イカや貝類はすべて、タブーである。肉食獣や、蛇のように地を這う動物も、食べてはならない。鳥はカラス、トビ、ハヤブサ、ダチョウ、タカ、カモメ、フクロウ、コウノトリ、サギは食べてはならない。
食物の面だけでも複雑です。
ただ全てにきちんとした理由があり、豚は雑食なので人間と食べ物の取り合いになってしまうので、豚は禁止だったと思います。ユダヤ教ではヒゲもそってはいけないのですが、傷口からの感染のためにヒゲ剃りも禁止されています。
アメリカン・ドリームを続々とかなえるユダヤ人たち
多くのユダヤ人の億万長者が社会福祉のために、巨額の寄付を行っている。これはユダヤ人の大きな特徴となっている。
ユダヤ人がお金持ちなのはかなり有名ですが、福祉的な活動をしていることは知りませんでした。
反復と復唱を主とする徹底教育
ユダヤ人の生活には、「学習」が習慣の一部として取り入れられているのだ。
そのためであろうか。ラビ・トケイヤーによると、アメリカで高校生の知能指数を調べたところ、ユダヤ人のIQはほかの民族に比べて11.8%も高かったという。
もちろん勉学は、習うだけでは不十分とされてきた。書かれたことを暗記するだけでは、学んだことにならない。自分なりに解釈して、はじめて力となる。格言の一つに「本に書かれていることを、ただ暗記するなら、ロバの背に本を積み上げるのと変わらない」というのがある。ユダヤ人の間では、教育の目的は記憶することではなくて、思考力を養うことにある、と見なされてきた。
常に思考するというユダヤ人の宗教的な考えが、IQにも表れているようです。
13歳になった男児はバル・ミツワーというユダヤ教との成人式があります。その際に、ユダヤ教に対する考えを示すこともあるそうで、そういった機会もIQに寄与しているのでしょうね。
ロスチャイルド王国を築いた”情報戦略”
イギリス・プロイセン連合軍とフランスの間で起こったこの戦いは、領土問題だけではなっく、イギリス公債の命運をも、にぎっていた。~中略~
すると、突然、ロスチャイルドが、手持ちのイギリス公債を次々に売り始めた。ロスチャイルドの情報網は、周知のところである。「連合軍が負けた!」そう思い込んだ人々は、我先に公債を売り出した。~中略~
そうして、そろそろ底値に達したと思われた瞬間、今度は一転してロスチャイルドは公債を買いに出た。
やはり他の人と同じ考えでは、勝機を逃すこともありそうです。
もちろん宗教的な考えが強いと思いますが、他の人と違うことをするという点も頭に入れたいところです。
ユダヤ人の休日は”自分と過ごす”のが大原則
一方、ユダヤ人は、私たちとまったく正反対の行動をとる。
彼らは休日に出かけるということを、まずしない。休日は家にいて家族と過ごす。そして何より”自分と”過ごす。ユダヤ人にとって休日は静かに自分を見つめ直すための時間なのだ。
日本では休日は仕事から解放されて自由なことをするイメージですが、ユダヤ人は自分と向き合うために使います。そうした積み重ねが晩年、大きな差につながるのでしょう。
冒頭で私の母親が「ユダヤ人を見習え」と言っていた話をしましたが、当時、「休日は家にいて何もしないものだ」とも言っていました。
これも、もしかしたらユダヤ人の教えを言っていたのかもしれません、と今になって思いました。
ちなみに母親に当時のことを言っても、全く覚えていないと言っているので、私の妄想かもしれません。
感想
世界で活躍するユダヤ人がなぜ優秀なのかについて書かれています。
もちろんユダヤ人は迫害の歴史と常に戦ってきた民族でもあります。それゆえ、この本を通じて、民族としての強さ、優秀さを知ることができました。
教義が非常に優秀であり、その仕組みがユダヤ人を優秀たらしめているということが非常によくわかりました。
もちろん参考にできる点も多かったので、タルムードを見習って、活かせるところは活用していきたいと思います。