14歳からわかる生活保護を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は14歳からわかる生活保護を読んだ感想です。

2012年出版

 

生活保護について知るため読むこととしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

著者は?

著者は雨宮処凛氏(1975年生まれ)です。

作家であり、政治活動家です。

プレカリアート問題に取り組み、2007年に日本ジャーナリスト会議賞を受賞経験もあります。

 

印象に残った内容は?

本書籍では、冒頭で生活保護が受けられなかった人の凄惨な餓死事件について紹介し、生活保護とは何かを説明し、生活保護を受けた人の実例を紹介しています。最後に海外と比較しつつ、日本の社会福祉制度について考えます。

「14歳からわかる」というタイトル通り、わかりやすい内容でした。

 

膨大な調査

大阪とか、生活保護受給者が激増している一部大都市ではそれがやりきれていなんでしょうけど、多くのところはちゃんとやっている。車の登記するところとかまで調査して、前年の税金とか何を滞納しているとか、いろいろなところに問い合わせて、その返事を含めた書類が70ページ以上。だから、不正受給する人がいるって言うけど、それは職員の怠慢でそうなっているだけだと思います。不正しようと思ったって、あれだけ調べられれば絶対にズルはできないですよ。

生活保護の不正受給はよく聞く話ではありますが、実態としては不可能そうに感じます。

この例では70ページとありますが、それ以上のこともあるでしょう。きちんとした人が働いていれば、不正受給は不可能そうです。もちろん、仕事超過量が増えればその限りではないでしょうが、不正受給は不可能そうです。

 

スウェーデンの奨学金

もちろん教育は全部無償。保育も無償です。大学はほとんど利息のつかない奨学金が出ます。奨学金は授業料だけではなく、生活費も出るんですよ。だから何歳からでも大学に行ける。40歳になってから「医学を勉強したい」と思ったら職場を辞めて、奨学金を受けながら医学部に行く。

スウェーデンの奨学金ですが、生活費もでるようです。

スウェーデンだけではなく、多くの国では、日本と違う形式の奨学金が出るかと思います。

日本はローンと言われますが、これも時代が進むに連れて変わるのではないかと思っています。というのも、子供の数が減少しており、優秀な子供を育成するには、ローン型の奨学金では無理があると思うからです。

海外のやり方で成立しているのならば、そちらのやり方に寄せるのもありな考えだとは思います。

 

感想

生活保護について読む前よりも理解が進んだ本です。

最初の生活保護の本として読むのにはわかりやすい本でした。

 

実際生活保護を受けたことはないのでわかりませんが、水際作戦という職員が生活保護申請を止める手段が横行しているように感じました。

もちろん、上司や国からの命令で受給率を下げることはもちろんのこと、普段の業務量が増えることからも、受給をさせない方向に動いているとは思います。しかし、最終的には申請後のジャッジがあるので、申請を止めずに、精査する方に力を入れて欲しいと思いました。しかし、職員だけでは足りないので、外部委託できるような仕組みもありだとは思いました(すでにあるかはわかりませんが)。

 

日本は儒教的な考えにより、欧州では特異的に見られる福祉システムになっているかと思います。

特に驚いたのが、ヨーロッパなどでは生活保護は恥などではないということです。もちろん若干の引目を感じてはいるそうですが、日本ほど卑屈にはなっていないとのことです。

 

日本では、受給する人は何か劣っているような目で見られますが、諸外国ではリハビリ(復権)的な意味で、支援するものと当然のように考えているのが、日本との差だと感じました。

もちろん日本のように自立することで、より社会を進めていこうという前向きな気持ちになるかもしれませんが、そのような社会で置いていかれた貧困に苦しむ人はどうなるんだとも感じます。

 

一寸先は闇ともいいますが、もし今日交通事故に遭い働けなくなったら、私も支援を受ける側です。

すると受けにくいということは非常に問題があると感じます。これは少しずつでも良いので、社会のシステムを変えていく必要がありますね。