AI vs.教科書が読めない子どもたちを読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回はAI vs.教科書が読めない子どもたちを読んだ感想を書いていきたいと思います。

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現在のコンピューター(AI)の知能がどのぐらいか知りたくて読みました。

最近では、こちらの著者の新しい本も発売されています。こちらでは、AI vs.教科書が読めない子どもたちを読んだ感想で完全には言及されなかった子供の教育法に書かれています。

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どちらの本もレビュー評価は非常に高いです。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

著者は誰?

著者は新井紀子氏です。

数学者で、2010年にコンピュータが仕事を奪うという著書を発表されています。

2011年より東大合格を目指すAIのプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」を立ち上げられています。教育に関心があるようで、教育関連のプロジェクトも進められています。

 

内容は?

AI vs.教科書が読めない子どもたちでは、AIの進歩の歴史と、AIの現在の能力、現在の日本における学生の読解能力などに触れられています。

AIというと万能に聞こえますが、実際にはAI自体は判断はできず、あくまでプログラミングされたことを実行していると、文章の意味はわからず教師が与えたデータで実施しているに過ぎないとのことが非常によく理解できました。

また、新井紀子氏らが実施したリーディングスキルテストを実施して、現在の学生達の学力(読解能力など)をまとめられています。そこには結構驚きの結果が載せられているため、多くの読者は衝撃を受けるのではないでしょうか。

 

印象に残った内容

いくつか印象に残ったことを書きます。

全雇用者の半数が仕事を失う

1900年代から始まり、約100年かけてトヨタやパナソニックといった日本の最先端工場でほぼ確立されたオートメーションによる変化がホワイトカラーに対しても起こるのです。しかも、20年くらいに圧縮して。それは人類がこれまで体験したことのない変化です。質の違いと申し上げたのは、そのような意味です。

オックスフォード大学の研究チームが提示した有名な論文ですが、702種に分類したアメリカの職業のうち、約半数がなくなる恐れがあると予測しています。

AIによってなくなると予想される職業の原文です(Appendixに記載してあるのが職業で、順位が低いほど無くなりやすい職業)。

アメリカでのことで油断してしまいそうですが、仕事自体は日本もアメリカもほとんど変わりなく、アメリカで起こることは日本でも起こるだろうと、著者は予測しています。

 

しかもこの流れには抗えないと著者は主張しています。AI導入を先送りにすれば、国際的な競争力を失うと。さらに導入せず雇用を続けることで、AIを導入した企業に負けると。

つまりは、AIに代替されない人間になるしか生き残る道はありません。これが、次に書く学生の読解力へと続いていきます。

 

3人に1人が、簡単な文章が読めない

問題の例文を引用します。

 

次の文を読みなさい。

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

 

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから一つ選びなさい。

 

オセアニアに広がっているのは(     )である。

①ヒンドゥー教 ②キリスト教 ③イスラム教 ④仏教

 

 

 

 

正解は②です。

中学生の62%、高校生の72%が正解できたということではありません。中学生の3人に1人以上が、高校生の10人に3人近くが正解できなかったと理解すべきだと私は考えます。

これは確かに由々しき事態かと思います。

非常に簡単な文章であるのに、それを理解できない。これでは、社会で生きていくにはかなり難しいと言わざるをえません。

ちなみに、学生が不真面目だったのではないかという意見もあるそうですが、①のヒンドゥー教の回答が少ないことから(問題文にないため)、真面目に取り組んだと考えているとのことです。

 

いくつになっても、読解力は養える

生まれながらの才能は、子供の時の勉強次第と思そうですが、そうでないことを著者は書かれています。

冤罪で逮捕され後に無罪を勝ち取った女性の話を聞く機会がありました。~中略~

その女性が非常に落ち着いて、理路整然とお話しされるのを聞いて、私を含め多くの学生が、どうしてこんなに論理的に話ができるのに誤認逮捕されたのか、とても不思議に思い、当局に対して強い憤りを感じました。~中略~

ここからは私の勝手な想像に過ぎませんが、誤認逮捕された当初は、どなたも特に論理的に優れた方ではなかったのかもしれません。しかし、弁護士や支援者に助けられ、論理しか共通言語のない法廷で戦わざるを得ない状況の中で、論理的に理路整然と主張することができる能力が培われていったのではないでしょうか。

 

私が博士課程の指導をした学生に、仮説を立てたり推論したりすることができなくて、論理的な文章を書くのが苦手な学生がいました。その元学生の男性に、RSTの問題を作るお手伝いをしていただいたのです。彼の担当は、他の人が作った問題の妥当性と、正解が適切であるかどうかを検討することでした。すると、みるみるうちに文章力が向上して、半年も経たないうちに、とてつもなく論理的な文章を書くようになったのです。彼はそのとき38歳でした。ですから、読解力や論理的思考の発達は、高校生やそこらの年齢で止まってしまうことはない。いくつになっても成長できるというのが私の仮説です。

 

全てにおいて言えることですが、やることに遅すぎることはないかと思います。

読解力や論理的思考も同じということで、論理的に考えることで養えると筆者は主張しています。

 

感想

教育的な面も論じつつ、AIの歴史AIにできることなどを網羅的にわかりやすく紹介しているのが本著です。

特に東大に受かるためにはAI的にはどの教科が困難で、どういう点で難しいといった点で紹介がされているため、非常にAIについての理解が進みました。

 

教育に興味があるので、私自身が教育面で大きく印象に残ったことです。

RSTで測る基礎読解力と旧帝大進学率の高い相関が見られたのです。 〜中略〜

その事実を確認した私は、「御三家」と呼ばれるような超有名私立中高一貫校の教育方針は、教育改革をする上でなんの参考にもならないという結論に達しました。理由がわかりますか?そのような学校では、12歳の段階で、公立進学校の高校3年生程度の読解能力値がある生徒を入試でふるいにかけています。実際にそのような中学の入試問題を見ればわかります。まさにRSTで要求するような文を正確に、しかも集中してすらすら読めなければ、スタート地点に立つことさえできないように作られているのです。そのような入試をパスできるような能力があれば、後の指導は楽です。高校2年生まで部活に明け暮れて、赤点ぎりぎりでも、教科書や問題集を「読めばわかる」のですから、1年間受験勉強に勤しめば、旧帝大クラスに入学できてしまうのです。その学校の教育方針のせいで東大に入れるのではなく、東大に入れる読解力が12歳の段階で身についているから東大に入れる可能性が他の生徒より圧倒的に高いのです。

 

基礎読解力を上げることで、子供は学習の助けが必要なくなるように感じました。

それは、塾や家庭教師を必要としなくなることを意味します。

 

私が長年抱えていた疑問が解けた気がします。

難関校の生徒は、難関校の授業で頭が良くなるわけではなく、子供の時から高い読解力を身につけたことで、さらに他の子供よりも、成長率が高くなるのだと思いました。

 

ちなみに、著者の方も読者と同様に、「一体どうしたら読解力があがるのか?」に疑問を持ち、様々なアンケートを行いましたが、相関は見られなかったようです。

ただし、貧困と基礎読解力の負の相関は見られたそうです。一方で、通塾と読解力はアンケートから相関がないそうです。

 

貧困と基礎読解力の負の相関については、私は、子供の大人との会話の少なさだと思っています。

貧困になると、どうしても親との会話量が減ってしまい(親が忙しいため)、同級生など子供達の会話だけになってしまいます。

 

そのことで、論理的な会話力などが、普通の家庭と比べて苦手になってしまうのではないかと考えております。

それでもこの本を読んだことで、子供が目指す目標は基礎読解力だという目標が見えました。

 

 

他にも、現状の学生ですが、読解力を含めてどんどん能力的には昔に比べて落ちているように感じました。というのも、学生時代の自分が、勉強を何時間もやる人間だったので学力は高いが、思考力が乏しいという学生でした。どうしても読解力や頭の回転では、他の頭の良い人間には敵わないことがありましたが、なるほど、基礎読解力が足りなかったのだなと、腑に落ちました。

 

原因としては、SNSなどの発展が一つの要素としてあるかと思います。

昔に比べて直接会話することが減り、メールやLINEなどで長時間論理的に話すことは減った気がしていますが、どうでしょうか。まあ、昔に基礎読解力を測っていないので、今と昔に差があるかすらわからないですが、私は読解力は昔より下がっていると思います。

 

色々と考えさせられる本だったので、非常に面白かったですね。

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