みなさんこんばんは。
今回は行列のできる児童相談所 子ども虐待を人任せにしない社会と行動のためにを読んだ感想です。
貧困と教育に興味があるので、それらを支援する役割を持った児童相談所の実態を知るために読むこととしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者は井上景氏です。
金沢市や大阪府の児童相談所で働いていた経験を持っており、現在は、西日本こども研修センターあかしの研修企画専門員です。
印象に残った内容は?
児童相談所の仕組みや、現状、また警察官との関わり、一時保護、里親など広範に書かれています。また資料も充実しており、最近のデータを多数引用されています。
生活保護費
施設に入所するのに費用の負担はないが、子どもが施設に入ると養育に支給されている生活保護費がカットされることを知っているので、入所はさせたくないと主張する。
どうしても虐待などの可能性がある親は、子供の利益を考えられないことが多いように感じます。今回の件も、親がお金欲しさに施設に入所させないというものです。
子供を育てられないなら、子供を産まない選択もあったのですが、どうでしょうか。この辺は、以前どこかの記事で書いたように、日本における性教育の遅れも原因の一助な気がします。
もちろん、親が子供の時、虐待を受けたから同じように虐待するという負の連鎖も断ち切らないといけません。
建設費の高さ
児童相談所を開設するとなれば、それなりにお金はかかる。ある自治体の関係者に聞いたところ、児童相談所と一時保護所にかかる建設コストは約9億3千万、それに対して国の補助金は3億円程度にすぎない。
中核市は児童相談所の設置は義務ではないので、首長の判断によるそうです。
しかし建設費の高さ、不祥事が起こったときの対応を考えると、首長自身のメリットはあまりありません。児童相談所開設は直接、選挙の票に結びつかないからです。
将来、子供の人生を真っ当なものにした方が利益は多そうですが、それでも相談所開設はハードルが高いと言わざるを得ません。児童相談所がいらないような世界にする方が、近道のようにも感じます。今度は、虐待などの親について調べていきたいと思いました。
感想
児童相談所の実態について広範に書かれています。
私自身知らないことが多すぎたため、ほとんど消化できていない状態です。
それでも実際の親子の例(フィクション)などが挙げられているため、想像することはできました。
現状施設員の方が、明らかに人数が足りないこと、退職率の高さが印象的でした。
夜勤もあったりと、過酷な業務の割に、あまり報われることがないことも原因の一つかと思います。子供のためを思っても、相手の親から罵られたりと、大変な苦労があることでしょう。
この本を見ると、児童相談所の課題はまだまだ山ほどありそうです。
ほとんど内容をわからない自分でも、それは伝わってきました。
親子を支援するボランティア施設があるだけでも、大分違うのかな?と思ったので、親子の支援について考えていきたいとは思いました。