みなさんこんばんは。
今回は兵法 勝ち残るための戦略と戦術を読んだ感想です。
元々、戦略ゲームなどが好きで、実際に兵法の概要を学びたいと思ったので読むことにしました。
著者は?
著者は小和田秦経氏です。
歴史研究科であり、真言宗智山派の僧侶でもあります。
印象に残った内容は?
武家七書など各兵法書から、兵法家、そして実戦における兵法の紹介となります。ちょうど同時期に史記を読んでいたので、史記を読んでいると人物がわかりやすかったです。
兵士個人の能力を重視
しかし『呉子』は、集団行動のなかでは埋没してしまうような兵士の能力に期待していた。教育や訓練によって精強な軍隊をつくりあげることで、勝利の態勢を築こうとしたのである。実際、呉起が使えていた魏では、試験によって兵が選抜され、合格者が「武卒」という精鋭として編成されていたという。個々の兵士を適材適所に配することで、軍隊を効率よく動かすことを目指したのが『呉子』の兵法だった。
孫子とともに有名な呉子です。軍関係の家では、「孫呉の書を蔵する者、家ごとにこれあり」とあり、ほとんどの家庭にあったとされています。
家に孫子や呉子があれば、当然そういった教育をするので、自然と頭も良くなりそうです。
100の戦例から編み出された100の戦術『百戦奇略』
作者不詳ながら、多くの兵法書や史書を引いており、それだけでも存在価値は高い。『三十六計』のように荒唐無稽な兵法を取り上げることもしておらず、それなりの知識のある人物によって編纂されたものであろう。
日本語の本が少ない百戦奇略ですが、内容は魅力的です。三十六計は多くの本があるのですが、筆者は荒唐無稽と言っています。今後二つを読み比べてみたいと思いました。
歩兵の編成戦
周代(B.B.1046~B.C.256)の軍制では、5人を「伍」という。「伍」が5つで、「両」、「両」が4つの100人で「卒」、「卒」が5つの500人を「旅」、「旅」が5つの2500人を「師」、「師」が5つの12500人を「軍」としている。周王の軍勢は6軍で、諸侯はその封地の大きさによって保持する「軍」の数を3軍、2軍、1軍と定められていた。
戦国時代(B.C.453~B.C.221)には、総力戦の様相を呈するようになり、特に歩兵が急増することとなった。『尉繚子』によると、歩兵5人に伍長、10人に什長、50人に属長、100人に伯(閭)長がたてられたという。5人を最小単位とした編成をとったため、「五伍の制」ともよばれる。
三國無双というゲームで、役職を持った敵が現れます。什長や伯長がなんの役職がわからなかったのですが、やっとわかりました。ローマ軍でいったら、10人隊長や100人隊長と同じだったんですね。これで納得です。
感想
始めて読んだ兵法書の本になります。
各兵法書について、概論を述べているので、概要を掴むには良い本かと思います。
また、それぞれ有名な兵法の名言など(孫子でいうと兵は詭道なり)についても触れているので、簡便に各兵法の思想を学ぶことができます。
もちろん一つの兵法を深く学ぶには足りないので、他の本で補完するのが良いと思います。
私自身、孫子、三略、六韜、兵法三十六計という本をそれぞれ購入しました。
購入した本はどれも難しい本ですが、本書と合わせて読み進めていきたいと思います。
ちなみに一番読みやすかったのは、兵法三十六計でした。
話は戻りますが、本書籍では主要な参考文献も2ページに渡り書かれています。
名言がざっとわかりやすく、巻末にもそれぞれ、君主の心得や将軍の心得などのジャンルでまとめられているので、概要がわかりやすく個人的には好みの本でした。