人はなぜ眠れないのかを読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は人はなぜ眠れないのかを読んだ感想です。

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2011年出版

 

元々寝つきが悪い方なので、改善点や睡眠について理解を進めるために読むこととしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。数字は英数字に書き換えています。

 

 

著者は?

著者は岡田尊司氏(1960年生まれ)です。

日本の医学者、作家であり、岡田クリニック院長です。1999年、2000年に横溝正史ミステリ大賞を受賞しています。

 

印象に残った内容は?

歴史上睡眠がどのように扱われてきたか睡眠の歴史を振り返りながら、不眠症の具体的な内容、対策について紹介しています。

 

夜の覚醒の意味

なぜ、若者や壮年のときだけ、宵になると目が冴えるのか。電灯が発明されるまでは、日が暮れれば、寝る以外にすることがなかったはずなのに、長い進化の家庭で、どうして、そうした仕組みが備わったのだろうか。

その答えは言うまでもなく、性的活動のためだと考えられる。この時間帯に性交渉を行い、後はぐっすり眠るという具合に、神は体内時計をセットされたというわけである。

昼と夜に覚醒のピークがありますが、夜の覚醒の意味についてわかりました。

昼の覚醒は単純に、狩りをするためだったのでしょうかね。

 

24時間の生活リズム

ところが、1960年代にドイツのマックス・プランク研究所が、地下に特殊な部屋をつくり、時計は無論、今が何時なのかを知る手掛かりがまったくない人工的な居住環境に人が置かれたとき、どういうリズムで生活するかを観察したところ、被験者は地上にいるときと、ほとんど同じリズムで生活したが、リズムの周期が24時間ではなく、25時間に近いということがわかった。~中略~

実験に使われた地下の住環境は、被験者が夜眠るとき、フロアランプがついたままだったのだ。このわずかの明かりが、体内時計に微妙な影響を与えていたのである。

そのことに気づいたスタンフォード大学のチャック・ツァイスラーらが、寝ている間は一切の光をなくして実験をやり直してみると、体内時計のリズムは24時間10分と測定され、24時間にぐっと近づいたのである。

この説明を聞くまで、私自身体内時計は25時間だと思っていました。

最近の書籍でも25時間と書かれていたものもあったような気がしますが・・・どうでしょう。記憶違いだったらごめんなさい。

25時間のため、朝日を浴びて体内時計を戻しなさいという主旨の書籍があった気がします。

 

夢を操る

その一つは、スティーヴン・ラバージという睡眠研究者が創始した「明晰夢」を用いた治療手法である。明晰夢とは、自分が夢を見ていることを自覚した夢のことである。レム睡眠の脳波が現れたら、瞼の上に光が点滅する装置をつけて眠ることで、自分が夢を見ていることを自覚できるように訓練していくと、次第に夢だとわかった状態で、夢を見ることができるようになるという。この方法で、自分の苦手なことを夢の中で行ったり、苦手な人と仲良くなったりすることで、現実の生活に変化を引き起こすことが期待できるという。

前の会社の人に、夢を操る方法があると聞いて胡散臭いなと思っていましたが、この明晰夢が夢を操る方法ですね。

ただ、夢を操作できるだけではなく、自分の苦手なことに挑戦できるというのが、明晰夢のメリットでしょうか。ただ、この方法を実践することのデメリットがないか不安に感じました。

 

感想

睡眠について幅広く書かれた書籍です。

睡眠の歴史を振り返ったり、実際の病気の例を挙げているのも面白かったです。

特に、マイナーな病気は参考になりました。

 

ある例では、57歳の男性が45日間眠れないと不眠を訴えて、睡眠外来に来ました。

そこで、アクティグラフという腕時計型の測定器で調べてみると、夜11時から朝7時まで正常な睡眠パターンを示しました。

本人はそれでも納得しなかったという話です。

 

これは逆説性不眠症のケースです。

これは認知の歪みがあり、眠れていない時のことを過大に受け止め、寝れたことに対してはほとんど無視してしまうからのようです。

また、睡眠中も脳が過覚醒状態のため、活動を続けていることで周囲の状況を知覚してしまい、寝ていないと感じてしまうようです。

 

 

また、クライネ・レヴィン症候群という病気があり、一定の周期で一年に何回か過眠が生じる病気です。

過眠の時には、20時間も眠るそうです。

私が大学の時、研究室の後輩が雑誌会をすっぽかすことがありました。

本人が言うには、36時間寝てたと言っていました。もちろん、教授も大激怒でしたが、今考えるとこれも病気だったのではないかと思いました。

ちなみに、その後輩は、当時睡眠の薬を服用していました。

 

 

ナルコレプシーなどは有名な病気で知っている人も多かと思います。

以前、製薬系の研究所で働いていた時、作業をしたまま寝ている人間がいたとの話を聞いたこともあります。

 

そう聞くと、ナルコレプシーについて知らない人は勤務態度が悪いと感じてしまいますが、実際には病気ということもあるため、クライネ・レヴィン症候群などのマイナーな病気の症状を知れたこの本はありがたかったですね。

他にも睡眠の基本的な考えについても書かれており、簡単に睡眠について学ぶこともできたので、わかりやすい書籍だと思いました。