みなさんこんばんは。
今回はベストセラー小説の書き方を読んだ感想です。
(1983年)
小説を書くにあたり、参考にするため読むことにしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者はディーン・R・クーンツ氏です。
スティーブン・キングに並ぶ現代ホラー作家と評価されている著者です。
著書に、12月の扉やファントムなどがあります。
訳は大出健氏です。
印象に残った内容は?
ベストセラー小説の書き方について、包括的に書かれています。1981年に書かれたため、古いように感じる項目もあります。しかし、ベストセラー小説というものは、古くから構造が変わっていないはずなので、参考になる部分が多数ありました。
ベストセラー小説の必須要素
- しっかりとしたプロット
- 見せ場が多いこと
- ヒーローかヒロイン、あるいはその両方が登場すること
- 変化と想像力に富み、しかも説得力のある性格描写
- 明確で自然な登場人物の動き
- 綿密な背景描写
- わかりやすい文章
- 多少のリリシズムと強烈な印象的イメージを豊富に盛り込んだ文体
平均的な読者が要求する項目です。
言われてみれば当たり前のことも多いです。しかし、これをしっかり全て入れるのは、素人作家には難しいと思われます。
練習して、これらの項目を満たせるようにしたいものです。
古典的プロットパターン
- 作家は今まさに恐ろしい困難に遭遇しようとしている主人公を紹介する。
- 主人公はその困難を乗り越えようと努力するが、さらに深みにはまる一方である。
- 主人公が穴からはいあがろうとすると、いろいろとやっかいなことが持ち上がる。事態はどんどん悪化していき、ついに考えつかないほどの困難に巻きこまれ、最悪の事態になる。多くの場合このトラブルは、主人公が問題を解決しようとあがくうちに犯した失敗や判断のあやまりがもたらしたものだ。失敗やあやまった判断は、主人公の個性を形成している欠点や美点の相互作用から生じる。
- 恐ろしい体験と耐えがたい状況によって、深く傷つき、変貌をとげた主人公は、自分自身について、あるいは人間がつねに置かれている状況について、なにかを学び取る。~中略~
成功した小説パターンについて、筆者がパターンを分析しています。
色々と小説の書き方の本を読みましたが、重要なのは主人公が何を学ぶかです。
主人公が持つ欠点を、主人公が行動することで、最終的に克服、学ぶことが重要です。
これをプロットで当てはめると、上記のようになります。
理解しても、実際に書くのが難しいんですよね。
偶然の一致は避けよ
プロット上の困難はつねに、主人公の行動の結果生じたものでなければならないし、またその前に起こったことと、論理的なつながりを持っていなければならないのだ。
先ほども言いましたが、主人公の行動が重要になります。
他人に促されるままの主人公を誰が見たいでしょうか。動機があり、きちんと主人公が判断し、行動することで物語が進行します。
主人公に同情するな
無用な単語ぬきでアクション・シーンを長く展開するためには、とりたてて神秘的な秘訣があるわけではない。そのこつは、次のことばに集約できるとおもう。主人公をピンチに追いこむ場合、同情するな。
読者を魅了する重要な要素として、アクションシーンがあります。
つい筆者がやってしまうのが、主人公への同情です。あまりきつくしてしまうと、かわいそうになって、キツさを緩めてしまいます。
しかし、これをやってしまうと、ハラハラするアクションシーンが描けません。主人公に同情しないことが重要です。
安直なイミテーションは書かない
作家の経済的安定にははかり知れない影響をおよぼす、このブーム・凋落のサイクルをさけるには、新人作家はどうしたらいいだろうか?
答えは簡単だ。決して流れに巻きこまれてはいけない。流行に乗りおくれまいとして、他の作家の安上がりのイミテーションを、決して書いてはならない。
現在最も人気があるからという理由だけで、歴史大河小説を書いてはならない。その手の小説を読むのが大好きで、作家としてもその形式に魅力を感じている場合にだけ、書くべきなのだ。
ゴットファーザーがベストセラーになった時、出版社が第二、第三のゴットファーザーを売り出しました。
二番煎じはもちろん売れます。しかし、中身を伴わない書籍は、逆に読者を裏切る結果になり、マフィア物が売れなくなりました。
これらの経験から、自分が望まない売れているジャンルについては、書かない方が良いとのことです。
しかし、この書籍が書かれたのは、40年前です。
今はWEB小説というものがあり、転生者というジャンルが非常に売れています。私が見た作家は、プロの作家なら売れているジャンルの転生者を書けと言っていました。
私も、これには同意します。
売れる見込みがあるジャンルを書くのは、プロ作家としては当たり前だと思います。あとは、実力があればということですが、これについてはひたすら書いて練習するしかないと思います。
感想
ベストセラー小説の書き方について、広く書かれています。
40年前に書かれた書籍なので、今の状況と当てはまらないと感じる部分もありました。
しかし、ベストセラー小説というものは、基本的に魅力がある書籍です。
小説の構成は、いつの時代もあまり変わらないと思います。その点、小説の書き方として非常に参考になる書籍でした。