みなさんこんばんは。
今回はネットフリックスでシーズン3まで制作されている「ラスト・キングダム」の感想です。
ラスト・キングダムですが、原作は小説The Last Kingdom一連のサクソン人を描いた小説からきています。
作者ですが、小説アーサー王物語で有名なバーナード・コーンウェルが描いています。
ちなみにThe Last Kingdom日本語訳版はまだないそうです。ドラマで人気が出ているので、いずれ刊行されそうですね。
以下簡単なあらすじです。
(シーズン1 1話〜3話ぐらい)
あらすじ
主人公ウートレッド・ラグナルソンは、ノーサンブリアにあるベベンバーグの太守の子として生まれる。
幼い時にデーン人の侵攻により父親が殺され捕虜になる。以降、父親を殺した敵リーダーラグナルにデーン人として育てられる。
子供の時、ラグナルの妹テューラが戦士キャピタルの息子スヴェンに乱暴されそうになる。ウートレッドのおかけでテューラは助かり、スヴェンはラグラルに片目を奪われ、親子共々追放される。
大人になり、テューラの結婚が近い夜、キャピタルたちがラグナル達の村を襲う。ラグナルを始めとした住民達は殺され、テューラはスヴェンに攫われてしまう。命は助かったウートレッド達は、ラグナルを殺した汚名を着せられつつも、敵を討つため、ウェセックス王国を継いだアルフレッド王のもとに仕官する。
上記は本当に序盤の話なので、シーズン3まで長々と続きます。
簡単に言うと、サクソン人とデーン人の間に揺り動く主人公が、ウェセックスのために戦う話でしょうか。
魅力
歴史
まず一つは歴史的要素です。最近は漫画のヴィンランド・サガなど、ヴァイキングを扱った作品もよく見られます。
それでも、9世紀のイングランドを描いた作品には出会ったことがありませんでした。
ウェセックスやマーシア、ノーサンブリア、イースト・アングリアなど、聞いたことがありそうな無さそうな用語が飛び交います。ドラマでは、当時の地名が現在のどの地名か、わかるように描かれています。
この時代の王様は、あまり贅沢とは言えない住居です。もちろん他の村よりは良いけど、無理やり攻撃されたら壊されそうな建物です。建物や服装から、生活レベルが見えるのがドラマの面白い要素にも感じます。
戦闘シーンもカッコよく感じましたが、ファンタジーのように綺麗なもんではありません。この時代が本当にそうだったかわかりませんが、前衛が3人並び、足、胸、頭(真上)に盾をそれぞれ重ね、敵を食い止めたりして戦うのが、主流に描かれています。お互いに綺麗に並んで戦うのですが、横から回ればいいんじゃね?感が半端ないのですが、これはどうなんでしょう?ちょっと戦闘シーンは気になる部分もありました。
それでも歴史を再現したドラマは非常に魅力的です。
人間模様(ネタバレを含みます)
一番面白く感じたのが、こちらかもしれませんね。
主人公はサクソン人でありながら、デーン人として育てられました。子供の時にキリスト教を受け入れていましたが、デーン人として育てられた時点で、サクソン人側から見ると異教徒になっています。
そのため、アルフレッド旗下に入っても、アルフレッド王や臣下に疎まれます。
さらに、ウートレッドは太守の息子ということもあり、「俺は太守だ」と言う、傲慢な部分もあります。特に現在所有している土地もないのにそのような発言をしたり、やけに強気に「俺が正しい」というその発言に、見ている自分はハラハラしてしまいます。
一方で、説得される側のウェセックス王国の面々は信心深いので、「神が試練を与えた」、「神が判断する」など、あまり現実的な対応を取らないので、ヤキモキしてしまいます。
するとウートレッドはキレたり、相手を尊重しないような対応をするので、これまたドキドキしてしまいます。
特にアルフレッド王は主人公のウートレッドに厳しいんですよね。
アルフレッド王の中で、異教徒は信頼しないということを心に決めています。
王の妻は特に異教徒に冷たいので、徹底的にウートレッドと敵対します。これも一つの魅力かもしれません。しかし王様はウートレッドの武力が必要なので大目に見るのですが、ウートレッドが従わないのも苛立つと言った感じです。
最終的にアルフレッド王が死ぬ際に、ウートレッドを許し、心の内を話します。お互いに歳を取ったせいか、最後の和解は感動ものでした。
そのほかにもラグナルの息子で義理の兄の小ラグナルや、親友のレオフリッチ、王位継承で敗れたエセルウォルドなど、多数魅力的な人間がいます。残念ながら、全員死んでしまいましたが、それでも個人的にはエセルウォルドには生きて欲しかったですね。シーズン3最後にウートレッドに殺されますが、シーズン1で道化になって命を救ったことを言えば、ギリギリ生かしてくれたと思うのですがね・・・。
なんだかんだ活躍する主人公
どのドラマも活躍しない主人公はいませんが、やっぱり主人公が活躍するのがかっこいい。
シーズン1では、かの有名なエサンドゥーンの戦いで、妻?イゾルトを殺された恨みから物凄い勢いで敵陣に突っ込み、敵をバッタバッタ倒します。何ならイゾルデを殺した敵の首領グズルムも槍で一突き。そんなあっさりと・・・?
シーズン2では、アルフレッド王の娘エセルフレドに頼られたなら、デーン人の砦ベオムフレオトに潜入しても大活躍。弱りつつも姫へ敵首領を献上するナイスアシスト。
シーズン3では、30人で1000人のヘステンとの対決する際も、謎の方陣により、王子の部隊が突撃するまで耐え切る防御力。主人公補正が半端ないですね。そして先ほども出てきましたが、王のアルフレッドがひどい。ウートレッド達が襲われる様を見ていても、助けないという鬼畜さ。これがあってこそのシーズン3最後の和解ですかね。
感想
魅力に感じた部分は先述しました。
まあ歴史がかなり好きなので、歴史物ドラマはかなり好きです。
先が気になってあっという間に見ることができました。
中々シーズン1から3までをまとめて観ることはないのですが、あっという間に観れました。
「ラスト・キングダム」を見て感じたのは、ラブシーンが多く感じますね。
それほど多くの海外ドラマは見ないのですが、主人公の恋多きこと。
主人公が関係を持つのは、親友のブリーダ、一人目の結婚相手のミルドリス、異教徒の王妃イゾルト、二人目の結婚相手のジゼラ。
ここら辺は日本人だからあまり節操がないと感じるのか、時代感覚が違うのか一体何でしょうか。
ただ、姫様エセルフレドに対して踏みとどまったのは何故だ?いつもなら突き進みそうなものなのに。
そして、シーズン3での、30vs1000が疑問。
もうちょっと人数比とかをリアルにしてくれればなあと思いました。100vs500で、相手がウートレッドを恐れて慎重に戦ったとかならわかるのですが、30人を1000人で削りきれないのは、何故?の一言。やっぱり主人公補正でしょうか。
感想を書くにあたって「ラスト・キングダム」見返すと、初期のブリーダが可愛いですね。
後半は戦士になってしまったので、当初の面影がありません。テューラもさらわれる前は可愛かった。
地味に気になったのが、翻訳の人が異なるので、微妙に人名が変わります。
例を挙げると、オダやオッダ、ベオカやベオッカなど。ここは統一して欲しかったと残念に思います。まあ、日本語訳で見るなよということで、英語の勉強をしてこなかった自分が悪いですね。
「ラスト・キングダム」ですが何とシーズン4も制作中とのことです。
ある程度ストーリーが終わってしまった気がしますが、どう続くかが楽しみです。