みなさんこんばんは。
今回は経済学の名著 50冊が1冊でざっと学べるを読んだ感想です。
経済について知識がないので、概要を掴めることを期待して読むこととしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者は蔭山克秀氏です。
代々木ゼミナール公民科講師として、生徒に授業を教える傍、多数の本を執筆されています。
なお、Youtubeの方で授業風景が配信されていましたが、真面目そうな方でした。
印象に残った内容は?
以下に挙げたように、大きく4つのジャンルに分けて、経済学の本についてまとめてあります。
- 「経済学」の基本がわかる名著
- 経済発展と自由主義がわかる名著
- 「資本主義」がわかる名著
- 「豊かさ」と「貧困」がわかる名著
数式をあえて使わず言葉で説明する優しさ
さらにこの本、「何を・いかに・何のために」が徹底されている上、一番すごいのが「数式がほとんど出てこない」ことだ。経済学で数学革命をもたらしたサミュエルソンが、教科書では数学を使わない!!式を使えばてっとり早いことをあえた言葉で説明するなんて優しすぎる。
1970年にノーベル経済学賞を受賞したポール・アンソニー・サミュエルソンの『経済学(上下巻)』についての説明です。
私は当然経済学の本を読んだことはありませんが、興味が湧きました。
ただ、如何せんかなり分厚いらしいので、読むためには覚悟が必要のようです。
マルクスは「社会主義」を語っていない!?
マルクスは唯物論者だから、「未来予想図」など描かない。そういうものは観念的な要素だからだ。皆さんにも覚えておいてほしい。マルクスは社会主義を語らない。『資本論』ではまったく語らず、その他の場でも社会主義を具体的に語ったりはしていない。彼が情熱を傾けたのは、ひたすら「打倒すべてき”資本主義社会の分析”」なのだ。
社会主義として有名なマルクスですが、実際は社会主義を語ってないとのことです。
これについては知りませんでした。ただマルクス主義は危険とだけ聞いていただけなので、きちんと正しい情報を知る必要があることを実感しました。
一見「読みやすそう」な名著だが・・・・・・
オフはすばらしい。それまで我々は日曜も連休も盆も正月もなく働かされるが、オフになればすべてが報われる。〜中略〜
「君らはよく頑張った。さあ成果を出してこい。先生も応援してるぞ!」などと言うが、その時僕らが見せる笑顔は、すべてその後の温泉や海外旅行やダイビング、インド洋でマグロを釣る自分の姿などを想像してニコニコしているだけだ。誰も応援などしていない(うそですよ〜)
ちょっと目に余る物言いだなと思ってしまいました。
「誰も応援などしていない(うそですよ〜)」は、塾講師であれば言ってはいけないように感じます。このような発言は、塾講師であれば、普通に使うものなのでしょうか?
健康や栄養状態から「幸福」の格差を見つける
ここで大事になってくるのが「身長」だ。身長は、それだけでは幸福の指標にならないが、栄養が足りているのかどうかの目安にはなる。幼少期か思春期に栄養が不足していた集団は、総じて低身長になる。かつては「身長は遺伝的に決まる」が通説だったが、今は「身長こそ貧困の度合いを測るモノサシ」と考えられるまで、栄養説が浸透している。
この貧困のモノサシは面白いなと思いました。
最近感じるのが、女性の身長が伸びてきたなと思っております。170cmの人も一つの職場で何人も当たり前にいるので、これも栄養面の改善、もしくは栄養豊富な状態になってきた証なのかもしれません。
隷属なき道
そう、今日の生産活動の大半は「必需品を生み出すための生産」ではなく「雇用を維持するための生産」なのだ。
こんな不毛なことはもうやめよう。人々の労働時間を大幅に減らして、かわりに「ベーシックインカム制度」を導入すればいい。ベーシックインカムとは「すべての人に必要最小限の所得を無条件で保証」する制度で、昨今欧州で実験的に導入する国が出始めている。
ある漫画でベーシックインカム制度を知りましたが、このことについて書いてある『隷属なき道(2017年)』に興味を持ちました。
確かに、必需品はもうあふれているので、お金を稼ぐための雇用には納得です。
ただ、お金を配ってしまうと、人間としての生きる意味がぼやけてしまうようにも感じます。極端に言えば、何もせずにお金をもらって死ぬことが一つの人生になってしまいそうです。
これは難しい問題に感じますし、まだ『隷属なき道(2017年)』を読んでいないので、これを読んでから考えたいと思います。
感想
経済学の名著50冊について、著者の意見を交えながら書いてある本です。
個人的には、コンセプトは優れていると思いましたが、筆者の主観と感想が入りまくりで、苦手な本でした。
例えば、「講師として忙しい中NARUTO全巻を読みながらしんどかったけど読んだぜ」や、印象に残った内容でも書きましたが、「誰も応援していない(うそですよ〜)」など書いたり、筆者が軽薄ではないのかという思いが募りました。
ただ、冒頭でYoutubeを貼りましたが、いたって真面目な方のように感じています。本を読んだ後にYoutubeを見たので、誤解は解けましたが、著者を知らない中、無遠慮に読者との距離を詰めすぎに感じました。
著者のことを知っている中でこの本を読めば、著者がどのような人物か知っているので、読めるかと思います。
しかし、50冊もの重い本を読んだので、当然大変だと思いますが、「マジで大変だった、俺頑張ったぜ」感をすごい出しているので、著者としては、そこは出さない方が読みやすかったと思いました。
私自身ブログをやっているので大変感を出したい気持ちは分かりますが、作者の大変さを伝えるのは良くないことだと、本を読んでいて読んでいて実感しました。
実際、概要を掴むのは便利でしたが、当然学びが足りないので、詳しく知るには原書を読むのが良いと思います。
他の著者の作品を読んでから読んだ方が、著者への苦手意識がなくなるのではないかと思いました。
タイトルとしては、「経済学の名著 50冊が1冊でざっと学べる」ではなく、「経済学の名著 50冊を1冊でざっと紹介」の方が正しいタイトルのように感じます(売れなそうですが・・・)。
実際、経済学の良著を50冊知ることができるので、紹介本としては優れているかと思います。特に貧困に興味があるので、関連する11冊を知ることができたのは、とてもありがたいことでした。