子ども家庭支援の心理学を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は子ども家庭支援の心理学を読んだ感想です。

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ボランティアの教育と、将来親になったときに困らないように読みました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
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著者は?

執筆者は多数いらっしゃるので割愛します。

編集者は原信夫氏と井上美鈴氏です。

原信夫氏は、立教大学学生相談所カウンセラー、立教大学現代心理学部教授です。

井上美鈴氏は、清和大学短期大学部講師、あおきメンタルクリニック臨床心理士の方です。

 

印象に残った内容は?

学童期後期の仲間関係の発達

秘密の共有も、この時期の仲間関係の特徴である。学校帰りに近道となる秘密の抜け道を共有したり、宝物を隠しておく秘密基地をつくったりするのも、この時期の仲間関係の特徴である。

このように、学童期後期の仲間関係は非常に結びつきや閉鎖性が強く、この時期のことをギャング・エイジと呼ぶ。おおむね5~8名程度の同棲・同年齢の固定の集団で仲間関係が形成され、上に挙げたような集団独自の外面的・行動的な一体感(物、秘密、ルール、言葉など)を共有することで、わらわれ意識を強めていく。

子供の時特有の遊びが秘密基地をつくるなど、複数の友達と行動を共にするようになります。

これはギャングエイジと呼ばれます。後述するように、いじめが多くなるのも、ギャングエイジによるところが大きいようです。

 

学童期後期の心理社会的問題

ギャング・エイジと呼ばれる学童期は、集団のわれわれ意識が高まる一方で、そうしたギャング集団から排除する仲間外し、いわゆるいじめが生じやすくなるのである。特に近年は、地域社会の結びつきが弱くなり、ギャング集団がそれ自体では強い凝集性を維持できずに、特定の子供をスケープゴートにすることで、集団のわれわれ意識を保とうとする傾向が指摘されている。

ところで、いじめは「被害者」「加害者」の他に、はやし立てる「観衆」、見て見ぬふりをする「傍観者」といった四層構造になっている(森田ら.1994)。いじめの問題を解決するには、観衆や傍観者に働きかけることに加え、何らかの問題を抱えていると考えられる加害者への対応も重要であると考えられている。

近年の地域社会の結びつきの低下は、やはりテクノロジーの進歩によるものが大きいのでしょうか。

私としては結びつきが小さい方が、人との関わりも減ることで、いじめ自体も減少するのではないかと思いました。それよりも、組織を維持するため、外部に敵を作るという構造が作られやすいのですかね。

 

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思春期の仲間関係と家族関係

思春期に入ると、学童期のようなギャング集団よりも、より少数の特定の仲間関係を築くようになってくる。サリヴァンは思春期のこうした親密な仲間関係をチャム(親友)と呼び、重視した。誰しも経験したことと思うが、たとえば好きなアーティストが同じであったり、同じ趣味をもっていたりと、この時期の親友は類似性・同質性が特徴で有り、似た物同士が親密になる。いわゆる「類友」という関係であることが多い。~中略~

さて、こうした自分らしさの模索とともに、家族関係においても変化が生じてくる。それまで依存の対象であった親から離れ、自立への道を歩み始める第二反抗期である。ホリングワース(Hollingworth,L.S.)はこれを心理的離乳と呼んだ。つまり、反抗期は自分らしらを見つけ、親から自立していく上では不可欠の過程なのである。

高校で出会った友人の方がより仲良くなりやすい印象ですが、それがチャムによるものではないかと思いました。

また、反抗期がないという子供もいますが、自立する上では反抗期は必要ですよね。反抗期がなかった子供がどういう経路で大人になるか気になりました。

 

乳幼児期の親子関係の重要性

古典的な研究では、スピッツのホスピタリズム(hospitalism)が有名である。ホスピタリズムとは、親から離され施設(病院)に入った乳児に、情緒的な障害や身体的な発育の遅れが生じることをいう。スピッツは施設という養育環境の問題点について、親子関係の質という観点から初めて注目した研究者である(丹波,1993)。現在、親子関係の質の研究は、特にアタッチメントの分野において、さらに深められている(小野寺,2104)。たとえば、乳児期に親との間に安定したアタッチメントを築いていた子供は、学童期でも情緒的に健康で自己評価も高いという研究(Elicker et al.,1992)や、非常に不安定なアタッチメントを示した乳児の中には、学童期に攻撃的でかんしゃくを起こすなど人間関係に問題を抱える子供がいるという研究(Carlson,1998)がある。

やはり子供への愛情が、子供の人生を大きく左右することになります。

学校でも、明らかに家庭状況が悪い家の子供は、学校では攻撃的な問題を起こしていました。

精神的に未熟なのに子供を持つという形が悪いと思うので、それを改善する社会政策が必要に感じています。

 

保育における外国籍親子の課題と対応

宗教に関しては、日本人が宗教行事と認識していないような七夕、節分などの行事に対して、異教の祭りに我が子が強制的に参加させられると抵抗を覚える外国人がいる(宮崎,2011)。文化の違いを理解し、親への丁寧な説明を心がける必要がある。

七夕などの文化について、宗教的儀式という認識は全くありませんでした。

私は七夕の由来など説明できないので、グローバル化が進んだ現代でこういった日本の文化を説明できるようにしなければならないと思いました。

 

環境の力と発達の可塑性:ルーマニアの事例から

1980年代、ルーマニアでは、経済的発展のため、妊娠・出産が半ば義務付けられ、避妊・中絶を全面禁止する極端な人口増政策がとられた。子供の数は爆発的に増加したものの、児童遺棄が蔓延したことから、政府は子供を国営施設に預けることを推奨した。~中略~

こうした環境下で育った子供たちは、身体的な発育が遅れていただけではなく、特に言語や社会性の発達において深刻な遅れが見られ、絶え間なく動き回る。身体を揺らすなどの常同行動も見られたという。ラター(Rutter,M.,2009)は、剥奪のみられる施設で養育されていた子供たちに特徴的な傾向として、以下の4つを挙げている。

  1. 見知らぬ人に警戒心なく接近し、ついていってしまうなどの脱抑制型アタッチメント障害の特徴
  2. こだわりや興味が著しく狭く、社交性の欠如など擬似自閉症の特徴
  3. 過活動・不注意などADHDの特徴
  4. 知的機能の障害

である。

これらの子供達のうち、里親教育による介入支援を受けることになった一部の子供たちを継続的に追跡した研究(フォックス,2014:Nelson et al.,2014)からは、里親教育による介入支援に移行した場合に知的発達に関して大きな違いが見られること、加えて、特に月齢24か月以前に移行した場合とそれ以後に移行した場合で介入の効果に違いが見られることも明らかになった。具体的には、24ヶ月以前に里親教育へ移行した群ではIQが標準範囲に到達したのに対し、24か月を過ぎてから移行した場合には、IQは低い段階にとどまり、児童期までの追跡調査でもその差は継続していた。

アタッチメントがなかった子供でも、早い段階でアタッチメントが復帰することで、回復できるというデータです。

再三書かれていますが、子供の時のアタッチメントが非常に重要です。私のイメージでは、意識がはっきりする3歳ぐらいからの教育の方が重要そうに感じますが、乳児期のアタッチメントの方がはるかに重要だということを理解しました。

何の本で読んだか忘れましたが、乳児期の子供が泣いた際に周りに大人が来ない場合は、自分に価値がないと子供自身が思うといった話がありました。これは非常に重要で自己肯定感にもつながると思うので、乳児期の子供には特に熱心に世話をする必要がありそうです。

 

感想

子供の教育を中心に、興味深い研究結果などについてまとめられています。

重要に感じたのは、アタッチメント(愛着)です。

子供は愛情を持って育てることの大切が、この本を読んでより身に染みました。

 

子供を育てているわけではないので全て頭に残ることはありませんでしたが、それでも教育に重要なことを学べました。

子供の学習というより、もっと広く子供を育てることについて書かれています。

子供教育に悩んだ時や、より深く学びたい時に読みたい本です。

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