みなさんこんばんは。
今回は「高校の化学」が一冊まるごとわかるを読んだ感想です。
子供達に勉強を教えるにあたり、高校化学を学ぶために読みました。
著者は?
著者は竹田淳一郎氏です。
オープンカレッジ講師で、30代~80代の社会人にサイエンスを教えている方です。
印象に残った内容は?
高校生で学ぶ化学の概要について、まとめて書かれています。
同じ元素でも重さが異なります~同位体~
酸素の同位体である16Oと18Oの関係を利用すると過去の地球の気温を推定することができます。海には通常存在する16O以外に18Oもわずかに存在します。地球の気温が上がると、海からは軽いH2 16Oと比べて重いH2 18Oの蒸発する割合が増えるので、この水蒸気からできる雲からはH2 18Oを多く含む雪が降ります。
暖かい時は18O同位体の方が蒸発するとのことでしたが、なぜ蒸発量が多くなるのかその説明が欲しかったです。
水100gにNaClは何gまで溶けるでしょうか?~固体の溶解度~
海に溶けている塩分は主に塩化ナトリウムですが、塩化ナトリウムは水100gには約36gまでしか溶けません。
温度が上がると、溶解度が上がりますが、これは何の効果によるものでしょうか?
固体の結合を切るためのエネルギーを温度で獲得するためでしょうか。
氷+食塩で冷凍庫なみに冷やすには?~凝固点降下~
氷に塩を入れると冷える現象は凝固点降下でどう説明できるのでしょうか。氷に塩を加えると、氷の表面にわずかにある水滴に塩が溶け込みます。するとこの水溶液は融点が下がっているので、再び凍ることはできません。むしろまわりの氷をさらに融かします。氷が融けるときには、融解熱によりまわりから熱を奪うので、温度は0℃よりさらに下がっていくのです。
凝固点降下についての説明は非常にわかりやすかったです。
それ以外のわからない原理についても詳細な説明があればよかったと思います。
感想
高校で学ぶ化学について平易にまとめられてます。
ただ、ページの関係上深い原理までまとめられていないものもあるため、原理がわからないものは気になりました。あくまで表面上の結果だけの部分もあり、原理は?と思うものも多くありました。
また、化学Ⅱなどの難しい内容も、全てまとめられているわけではないので、高校生にきちんと教える場合は、他の教材が必要です。
まとめて概論を学ぶためにはわかりやすいと感じました。