LIFE SHIFT(ライフシフト)100年時代の人生戦略を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

 

今回はLIFE SHIFT(ライフシフト)100年時代の人生戦略を読んだ感想です。

前の会社では経営者育成塾というものがありました。そこで講習を受けている会社の先輩からお勧めされた本なので読むことにしました。

著者は?

リンダ・グラットン氏とアンドリュー・スコット氏です。

リンダ・グラットン氏は、ロンドン・ビジネススクール教授で、人材論や組織論の世界的権威です。前著のワーク・シフトは2013年のビジネス書大賞を受賞しています。

アンドリュー・スコット氏は、ロンドンビジネススクール経済学教授で前副学長です。2005年より、モーリシャス大統領の経済アドバイザーです。

訳者は、池村千秋氏です。ビジネス・経済書の翻訳を手掛け、リンダ・グラットン氏の前作、ワーク・シフトの翻訳も担当しています。

 

印象に残った内容は?

ライフシフトでは、昔と比較して変わりつつある生活環を分析し、過去、現代、未来の生き方を予想、提唱しています。変わりつつある現代で、よりより未来を掴むにはどうしたら良いか、と言った目線でも書かれてもいます。

 

2007年生まれの寿命

これは、人口学者たちがいまの子どもたちの平均寿命を計算した結果である。図にあるように、2007年にアメリカやカナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は、少なくとも104歳まで生きる見通しだ。日本の子どもにいたっては、なんと107歳まで生きる確率が50%ある。

どこかで、日本人の寿命が長いのは大戦中に厳しい環境を生き抜いた人がいたから、寿命は短くなるという話を聞いたことがあります。

しかし、現状医療技術は進歩し、100歳が当たり前になる時代がやってきます。これはすごいことではありますが、それど同時に今まで見なかった病気が出てくる可能性もあります。生きていくためのシステムを多様化していきそうですね。

 

ロボットが人手不足を救う

イギリスの公共政策研究所(IPPR)によると、イギリスで人手不足を生む最大の要因は、新しい雇用の創出(雇用の増加)ではなく、人々の労働市場からの退出(労働力の補充)だという。具体的には、ベビーブーム世代が引退すれば、低スキルの職を中心に何百万人もの人手不足が生じるとのことだ。低スキルの職だけではない。高スキルの職でも、向こう10年にわたって、雇用増加による労働力需要よりも労働力補充のための労働力需要が大きくなると見られている。この傾向は、高度のスキルが要求される新しいテクノロジーの分野でとくに際立っている。

したがって、ロボットに雇用が奪われることを心配するより、ロボットが労働力人口の縮小を補い、経済生産と生産性と生活水準を保ってくれることを歓迎するべきだろう。

オズボーン氏の話ではAIに既存の仕事の47%が取って替わられるという話でしたが、ライフ・シフトでは、逆にロボットが人を助けるとしています。

どちらもヒトの仕事を機会が代替するのですが、捉え方によっては、未来にも希望が持てそうです。

当然機会に仕事を盗られるというよりは、仕事を手伝ってもらえる方が心証も良い気がします。

 

経験学習

変わるのは、どんなスキルや知識を学ぶかだけではない。学び方も大きく変わる。とくに、「経験学習」の比重が大きくなるだろう。教科書と教室での学習にとどまらず、実施の活動を通じておこなう学習のことだ。

経験学習の価値が高まるのは、一つには、インターネットとオンライン学習が発展して、単純な知識なら誰でも簡単に獲得できるようになるからだ。知識の量ではライバルと差がつかず、その知識を使ってどういう体験をしたかで差がつく時代になるのだ。

最近の傾向ではわからないなら調べるが習慣化されています。

職場でも、若い子に仕事を頼むと、「調べても書いてありませんでした」という回答が多くなったと感じます。

 

私の母親も言っていたのですが、若い人に「これはどうすればいい?」と聞くと、「Googleで調べても出てこなかった」と答えられることが多くなったと言っていました。

これこそ時代が変わっていることで、母親の世代では自分で考えるが主流であったのが、今の世代では調べるに変わっています。

現代では、覚える時間を大きく削減できるようになりましたが、一方で考える力が全く無くなったと感じるようになりました。

AmazonやTwitterなどで、「これは使えない」「くそ」など短絡的な感想も個人的には気になります。将来的には、さらに考える力が減衰し、考える人(高学歴)と考えない人の差が大きくなると思います。

すると、経済的な所得の差も大きくなると感じており、これこそ教育で対応するべき課題に感じます。

 

2070年のジェーン

ここで、それまで築いてきた変身資産が威力を発揮する。多様性に富んだ友人や知人のネットワークを通じて、すぐに4つのプロジェクトの計画がまとまる。目指すのは、夫婦のライフスタイルを維持するために必要な所得を確保すると同時に、ジェーンが渇望する刺激を得られる日々を送ることだ。また、この時期には地域コミュニティと広い世界のためにも生産性資産を使うようになる。

具体的には、さまざまな要素で構成されるポートフォリオ型の生き方を実践する。1年に30週は、週に1日、ラテンアメリカのストリートチルドレンを支援する国際慈善団体で働く。また、週に1日、ローカルな中規模の小売り企業で非常勤取締役の仕事をする。2週間に1日は、地元の治安判事も務める。

子供の時、母親に「毎日違う仕事をしたい」と言ったら、結構な勢いで怒られた記憶があります。

私は、同じ仕事を40年も続ける気概はありませんでした。

ただ、上記文章を読み、私の理想とする働き方が近づいているように感じました。これからは多様なスキルが求められる時代になるはずです。

 

若さと柔軟性

あなたのおじいさんやおばあさんが16、17歳の頃の写真を見て欲しい。写っているおじいさんやおばあさんは、人生経験が豊富そうに見え、まじめくさった顔をして、彼らの親と同じような服装をしているだろう。では、1950年代半ばの写真はどうか?この時代の16、17歳は、だいぶ若い服装と外見をしている。これは、新しい社会現象として「ティーンエイジャー」という人生のステージが出現したことの結果だ。次に、今の20代と30代の人たちの写真を見てみよう。20世紀半ばに16、17歳の人たちの見かけが変わったように、この年代の人たちの外見も変わり始めている。いまの20代と30代は、20世紀半ばのティーンエイジャーさながらに若々しく、責任の重荷を感じていないように見える。

~中略~

進化学的に言うと、子供は大人より柔軟性に富み、適応力が高い。大人のような保守的なものの考え方が形作られておらず、特定の行動パターンに染まっていもいない。「変わらない」ことは、直線的に進む3ステージの人生では好ましい結果をもたらしたかもしれない。変化を遂げる必要性が乏しく、そういう機会も少ないからだ。しかし、長く生きる時代には、硬直性がマイナス材料になり、若々しさの価値が高まる可能性がある。将来は、20歳の人たちの写真が若々しさを増すだけではなく、50代や60代の人たちの姿も、あなたのおじいさんやおばあさんがその年齢だった頃に比べて概して若々しく見えるようになる。肉体的な面だけではない。服装や行動も若くなる。

ここの文章は非常に面白かったです。

確かに、昔の人の写真は威厳があり、今よりも知的に見えます。

現在も大学に良く行くのですが、大学に行った時に見る学生たちはかなり幼く見えます。また皆同じ髪型をしているのにも違和感を覚えますし、時代の流れも感じます。

ただ、将来的に複雑な社会になった時に、生き残るのは柔軟な考えを持った人間です。そのため、将来にさらに若々しく見えると言う理論は面白くもあり、実際にそうなるのか未来の楽しみにしたいと思います。

 

何歳でもエクスプローラーになれる

エクスプローラーとして生きるのに年齢は関係ないが、多くの人にとって、このステージを生きるのにとりわけ適した時期が3つある。それは、18~30歳ぐらいの時期、40代半ばの時期、そして70~80歳ぐらいの時期である。これらの時期は人生の転機になりやすく、エクスプローラーのステージを経験することが明確な効果を生みやすい。現状を再確認し、自分の持っている選択肢について理解を深め、みずからの信念と価値観について深く考える時間にできるのだ。

エクスプローラーの日々は、見違えるほど若さを取り戻せる機会になりうる。70代の人はややもすると、長寿のリスクに脅えて生きることが当たり前になりがちだ。しかし、日々の生活を脇に置いて冒険に乗り出せば、現在のライフスタイルを問い直し、新しい選択肢を見いだすことを通じて、活力の回復が大きく後押しされるかもしれない。70代のジェーンは、まさにそのような経験をする。

これは実際にその通りだと思いました。

自分も29歳でフリーランス的な形になりましたが、かなり若々しくなったと感じます。ちょうど、このまま会社員で良いのかと、現状と将来について考えた時に、違う人生へ挑戦してみようとの考えになりました。

私は29歳で未婚だったので、手軽に判断することができました。しかし、結婚している人には、かなり無理があると思います。結婚している場合は、上記引用文と同じ、40代半ばぐらいになってしまいそうです。

 

遺産

たいていの親は、子どもたちのお金の不安を取り除ければ安心して死ねる。子孫に財産を遺すことにより、自分の存在を永遠のものにしたいという欲求も強いだろう。人間が戦略的に行動することを前提に考える経済学者たちは、親が子どもに財産を遺す理由として、もっと世知辛い思惑も挙げる。「戦略的遺産動機」と呼ばれるものだ。ひとことで言えば、遺産をちらつかせることにより、子どもたちの行動を操作し、高齢になったときに親切に世話をさせようという思惑のことだ。

自分としては、親は遺産を残さなくて良いと思います。

子供が親の遺産を当てにしてしまうと、「親は早く死ね」などマイナスな感情が見えそうです。

むしろ、親の遺産がない方が、感情で親の面倒を見るので、親の最期としては、後悔がないかと思います。もちろん子供達が、家庭を持っている場合は、そのようなこともうまくいかないとは思いますが、親と子供にとって良い最期が迎えれれると良いと思います。

 

感想

変わりゆく現代での、生き方、働き方についてまとめられた良本です。

これを最初に読むことで、私としては世界が今変遷していて、生き方が変わっていくと受け入れることができました。

 

本を読む前にも、世の中を見渡すと、世界が変わっているのは肌で感じていました。

しかし、具体的には何かいうことはできませんでしたが、この本を読むことで納得できました。

 

変わりゆく世界でどう生きるか、この本を参考にして、生き方について考えるのも良いかと思います。