面白いドラマ「FOMULA 1 栄光のグランプリ」を観た感想

みなさんこんばんは。

 

今回はネットフリックスのドラマFOMULA 1 栄光のグランプリ(Drive to Survive)が非常に面白かったので、それを紹介したいと思います。

FOMULA 1 栄光のグランプリ

FOMULA 1 栄光のグランプリはF1チームを追ったドキュメンタリーになります。

2019年にシーズン1、2020年にはシーズン2がリリースされています。

各話では、F1レーサーやチーム代表にスポットが当たり、各話ごとに異なるチームで描かれます。

 

F1の基本的なルール

F1では、10チームで競い合います(昔はもう少し多い時もあったようです)。

1チームに2人ドライバーがいるので、計20人で競い合います。

 

F1ですが、まずは予選(タイムアタック)を行います。

予選の流れはQ1、Q2、Q3と3つのセッションで成り立っています。

Q1でタイムの早かった上位15台がQ2に進みます。

次にQ2では、Q1でのタイムは関係なしに、タイムアタックを行い、上位10台がQ3に進みます。

Q3で再びタイムアタックを行い、順位を決めます。

 

本戦では、予選の順位順で、マリオカートのように20台がずらっと並び競い合います。

ちなみに予選で順位が低いと、そのレースで優勝することはかなり困難になります。

というのも予選ではタイムアタックでしたが、本戦は周囲に他のドライバーがおり、抜かすのもかなりの技術が必要になるからです。

そのため、予選のトップはポールポジションと呼ばれ、かなり有利な状態になります。

 

本戦では、1~10位まで以下の得点を与えられます。

順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
ポイント 25 18 15 12 10 8 6 4 2 1

 

先述しましたが、チームには各2人のレーサーがいます。

つまり、ドライバーとチームそれぞれで点数を競えるため、ドライバーが点を取れば、それだけチームの勝利にも近づくことになります。

 

シーズン1では2018年度のシーズンを放送し、レース数は21戦でした。

各年によって違うようですが、概ね20戦ほど闘うようです。

 

面白いと思った点

FOMULA 1 栄光のグランプリですが、一般の人間にはわからないF1の舞台裏を覗いたドキュメンタリーです。

野球やサッカーなど、日本の番組でも選手に密着したテレビは何回か観たことがあります。それらも面白いのですが、F1はまた別格に感じました。

とてつもなく面白く感じた理由はなんだろうと考え、以下のように思いました。

  • F1レーサーが1チームに2人しかいないため、ドライバー1人あたりの責任が大きい(試合の緊張感)
  • ドライバーの能力も重要だが、車の性能も重要
  • レーサー以外のピットのエンジニアも、レースにおいて非常に重要(普通のサッカーなどのスポーツでは皆選手で平等だが、F1ではレーサーとエンジニアという非対称関係だが共にチームとして戦う)
  • レーサーがとても負けず嫌いで、チーム内でも戦いが生じる

 

F1レーサーが1チームに2人しかいないため、ドライバー1人あたりの責任が大きい(試合の緊張感)

通常のサッカーや野球などでは、選手が11人ないし9人います。また交代メンバーもいるため、1人あたりの責任は小さく感じます。

一方で、F1は1チームにレーサーが2人しかいません。また、本戦中にクラッシュでもすれば、もうその試合には復帰できません。終わりです。

その中を順位を良くするために、350キロで相手を抜かします。リスクをとって相手を抜かしにいく、そのひりついた緊張感がたまりません。面白いのがチームによって、目指す位置が違います。もともと上位を狙っていないチームでは、10位以内に入れば、褒められることもあります。

一方、シーズン2の内容なのですが、メルセデスフェラーリに次いで3位のレッドブルは、より上位を狙います。そこで、2019年、レッドブルでは期待の新人としてピエール・ガスリーという若手の選手を起用します。しかし、相棒が若手最有力のマックス・フェルスタッペン(優勝経験多数)のため、そこそこの順位でもレッドブルの評判はあまりよくありません。そこで降格されてしまうのですが、そういった上位チームの責任の重さなど、観ていて面白く感じました。

 

ドライバーの能力も重要だが、車の性能も重要

選手の能力が重要であることは、多くのスポーツに共通です。

しかし、サッカーはほとんど道具の影響はないかと思います。あの靴を履いていたから今日は5得点取れたなど、道具の影響はほとんどないかと思います。野球やテニスは道具を使うスポーツなので、ある程度影響があるかと思いますが、それでも影響はたかが知れているかと思います。

しかし、F1は違います。車の性能=選手の能力につながります。

例えば、メルセデスフェラーリレッドブルが、上位を占めていますが、それはドライバーの技量とともに、車の性能が高いからです。

ネットフリックスでも、選手は良い車を乗りたいと言うシーンがあります。それほど、選手とは別のところで試合の結果を左右するスポーツは、F1以外にないのではないでしょうか。

2017年までレッドブルルノーのエンジンを搭載していました。しかし、2018年からはホンダとの契約に移っています。常に良い性能の車を求めていく、このF1の世界は独特なものを感じました。

また、単純に速さ以外でも車の性能が出ます。特にマシントラブルは、FOMULA 1 栄光のグランプリを観ていても思いました。レッドブルがエンジンをホンダに変えた話をしましたが、レッドブルのマシントラブルが続出していたからだと思います。そのような意味でも、車の性能は重要です。

 

レーサー以外のピットのエンジニアも、レースにおいて非常に重要

1990年代のゲームでF1をやったことがありましたが、ピットは結構時間がかかっていました。体感10秒弱くらいですかね。子供心に遅いなと思っていました。

あれから30年弱経ちましたが、ネットフリックスを観て驚きました。ピットインの時間が2秒程度です。非常に早いです。その早業も今は慣れましたが、最初観たときの衝撃は半端なかったです。

選手以外が重要なスポーツはF1以外観たことがありません。むしろ選手以外が試合に関係しているスポーツを私は知りません。しかし、F1はドライバーも大事だし、ピットインのエンジニアも大事ですし、ドライバーに指示を出す人も重要です。これほど、選手以外の人間が重要なのには驚きました。

ピットインの人間が重要なことがわかったと思いますが、ですが、人間なのでもちろん失敗することもあります。

 

FOMULA 1 栄光のグランプリ シーズン1-1 栄光を目指して

2018年のオーストラリアグランプリでハースというチームがピットインでミスをします。しかも2台です。最初にケビン・マグヌッセンがピットインしタイヤ交換をするのですが、しばらく走った後で左リアタイヤの締め付けが足らずリタイア。その後、ロマン・グロージャンもピットインでタイヤ交換をした後、しばらくして左のフロントタイヤが緩くリタイア。

しかも悲しいことに、2人も順位が上位だったんですよね。4位と5位。これは、選手もつらいですし、エンジニアもつらいでしょう。ハースは新人をちょうど雇ったみたいで、そのミスのようです。

選手以外が重要という点で、ピットインも目が離せません。特にハースのチームはピットインのミスがあるので、いつもドキドキしてしまいます笑。

 

FOMULA 1 栄光のグランプリ シーズン2-4 暗黒の日々

他にも絶対王者、メルセデスルイス・ハミルトンにも悲劇が訪れます。

体調が悪く熱が40度ある中、ドイツグランプリ予選を意地の1位で突破。しかし本戦は生憎の雨。ルイス・ハミルトンのミスでウイングを損傷し、すぐにピットインに入るも、突然の出来事でピットインのエンジニアもパニックに。結局作業に1分ほどかかり、結果は9位で終わります。本人はリタイアしたいと言いますが、チーム代表が許しません。

その影で、チームプレイに定評のある相棒のバルテリ・ボッタスは運転ミスでリタイア。1位のドライバーであるルイス・ハミルトンを抜かすチャンスをフイにします。

こういったことを、ネットフリックスでは本人のコメントを入れつつ編集しているので、非常に面白かったです。このときバルテリ・ボッタスルイス・ハミルトンを抜かすチャンスで力が入ったと言っていました。

 

レーサーがとても負けず嫌いで、チーム内でも戦いが生じる

1チームに2人レーサーがいることは、先述しました。

本来ならチームなので、協力し合うのが筋ですが、そうはいかないのがF1の世界。

もし自分が下位チームのレーサーであれば、メルセデスに負けても言い訳ができます。車が悪かったと。

しかし、同じチームということは、同じ性能の車に乗るということです。つまりは、チームメイトに負けるということは、自分の実力が相棒より劣っているということです。

これは、チームメイトをライバル意識する理由になります。

ベテランのレーサーにとって辛いところは、若手の有望なチームメイトが来ることかと思います。レッドブルダニエル・リカルドルノーに行ったのはマックス・フェルスタッペンから逃げるためとも噂されますし、フェラーリセバスチャン・ベッテルも若手のシャルル・ルクレールに押され気味に見えます。

一方で、若手もチーム内の指示でその順位を維持しろなど、チームメイトのベテランを抜かすなという指示もあります。そのフラストレーションもあり、チームメイト内での衝突も生じています。

マックス・フェルスタッペンダニエル・リカルドと2018年のアゼルバイジャングランプリで衝突しています。

最後の感想で紹介しましたが、FOMULA 1 栄光のグランプリ シーズン1-6 負ければ終わりというエピソードでは、フォース・インディアというチーム内で、チームメイト同士が衝突する様子が描かれています。これは非常に印象的でした。

 

 

感想

私自身、実は車に全くと言っていいほど興味がない人間です。

ゲームは好きだったので、F1のゲームもやったことはありましたが、何が面白いか全くわかっていませんでした。

 

しかし、このFOMULA 1 栄光のグランプリというドキュメンタリーを観たら、全く知らない世界を知ることになりました。

単純に車を走らせるだけではなく、相手の車を抜かすタイミング、ピットインのタイミング、人間関係、ピット内のエンジニアの技量など、全て面白かったです。

男だからかもしれませんが、単純に速い=かっこいいが成り立ちます。

そりゃ350キロで相手を抜き去る姿がかっこよくないはずがないのです。

 

テレビなどでは、レースの様子しか映し出されないかと思いますが、ネットフリックスではF1の裏側まで追っているので、人間模様も楽しめる要因でした。

野球など、ドキュメンタリーで密着するのは好きだったので、そういう番組を好きな人は、このFOMULA 1 栄光のグランプリも楽しめるかと思います。

 

地味に嬉しく感じたのが、日本人で活躍している方もいます。小林礼雄氏という方がハースF1チームで働いています。

特にチーフレースエンジニアという偉い役職にいるので、たびたび出てきます。日本人がF1の世界で活躍しているのはうれしく感じました。面白かったエピソードで紹介したシーズン2-2で結構出ていますので、気になった方は観てください。

 

私が好きなのは、レッドブルドライバーのマックス・フェルスタッペンです。若手でかなり実力がある選手ですが、2018年のモナコグランプリで衝突するまで(下に紹介したシーズン1-3のエピソード)、気負いがあったためかあまり実力を発揮できていませんでした。しかし、それ以降は安定した活躍で優勝回数も多いです。

 

選手はマックス・フェルスタッペンが好きですが、チームとしてはハースが好きです。

ハースは先述しましたが、日本の小林礼雄氏がエンジニアとして活躍しているチームです。

チーム代表がギュンター・シュタイナーという強面の方なのですが、カッコ良くもあります。2018年はエンジニアのホイール装着ミスでダブルリタイアをしたりした年ですが、チームとしては最高位の5位でした。シーズン2の2019年はマシン不調で低迷しましたが、2020年には期待しています。

 

面白かったエピソード

FOMULA 1 栄光のグランプリ シーズン1-3 救いの道

モナコグランプリですが、非常に狭いコースで、素人の自分にも難しそうに感じます。

そこで、マックス・フェルスタッペンは十分タイムが出ているにもかかわらず貪欲に最速ラップを目指し、壁に衝突します。

一方で、本戦では去年ピットのミスで負けたダニエル・リカルドが、去年の雪辱を果たし、優勝します。それを見るマックス・フェルスタッペンを微妙な心情を思うと切なくなりますが、チームメイトが勝つというのは複雑な気持ちかと思います。

ちなみにレッドブルマックス・フェルスタッペンダニエル・リカルドは一度お互いにクラッシュしあったこともあり、若干険悪な印象もあります。そのことも含め、お互いに複雑な心境もあり、人間模様が面白くもありました。

 

FOMULA 1 栄光のグランプリ シーズン1-6 負ければ終わり

フォース・インディアチームのオーナーの資金が凍結され、オーナーが変わる話になります。

そこで出てきたのが、レーサーを息子に持つローレンス・ストロールです。息子をフォース・インディアのドライバーにするという噂が流れ、今までも仲が悪かったエステバン・オコンセルジオ・ペレスの関係にも緊張が走ります。

明らかにわざとぶつかっていく様は、エゴむき出しのレーサーを表しているように感じました。しかし、相手に譲っているようでは一流のレーサーになれないということですが、それでもフォース・インディアの2人は明らかに関係が悪すぎます。

ちなみにこのエピソードでは、シンガポールグランプリでもぶつかり合います。というより、セルジオ・ペレスがぶつかりに行っているようです。これは観ている方も心臓に悪いですが、そのあとも別の車にもぶつかりに行きます。このエピソードは印象的でした。

 

FOMULA 1 栄光のグランプリ シーズン2-2 我慢の限界

2018年は5位と中団グループの順位に終わったハースですが、マシンのトラブルもあり2019年は思うように勝てません。

成績の悪さから、投資してくれているスポンサーにも見放されます。

そこで、調子がよかったときの車の状態に一台を戻し、様子を見ることにします。

つまり、一台は調子の良い車、一台は調子の悪い車という形です。それで競争心が煽られたのか、チームメイト同士で衝突し、2人の車がパンクします。その際にリーダーのギュンター・シュタイナーが「この惨劇を終わらせろ」と言い放ちます。この言葉はとても印象的でした。

この後ギュンターが2人のドライバーを説教しますが、それに怒ったドライバーのケビン・マグヌッセンがドアを強く閉めます。それに対して怒り心頭のギュンターが「2人もクビにしてやる」と叫びます(本人たちはいない)。

このエピソードはかなり感情的で見てるこちらもハラハラしてした。物事がうまくいっていないときは、連鎖的に悪いことが生じるので、同情的になりました。

しかし、2020年現在、クビにしてないということで、その事実にも驚きました。あんだけ叫んだのに。

 

FOMULA 1 栄光のグランプリ シーズン2-7 情熱の赤

フェラーリの若きレーサーシャルル・ルクレールセバスチャン・ベッテルの確執です。

セバスチャン・ベッテルは以前レッドブルで4連覇を達成したベテランです。

しかし、フェラーリに移籍してからは、メルセデスの活躍が目立ちます。そこでフェラーリは、若き才能あふれるシャルル・ルクレールを2019年より採用します。

シャルル・ルクレールの方が才能が上そうですが、歳を重ねたセバスチャン・ベッテルの老練さもあり、チームもセバスチャン・ベッテルを立たせるような形を取ることもあり、2人の関係は良好とはいえません。

しかし若い才能は止められないので、セバスチャン・ベッテルが若干不利そうです。いつまでもベテランが活躍できないという、世の中の真理を見た気がしました。