お金2.0 新しい経済のルールと生き方を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回はお金2.0 新しい経済のルールと生き方を読んだ感想です。

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これから生きる上でお金は無くてはならないものなので、勉強するために読むことにしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

著者は?

著者は佐藤航陽氏です。

早稲田大学中に株式会社メタップスを設立し、現在ではタイムバンクという事業も立ち上げています。

 

印象に残った内容は?

冒頭でお金とは一体何かについて紹介し、時代と共に変わりつつある価値観とともに、お金のあり方を説明されています。

 

中国の独自ビジネス

中でもC2Cの個人間取引では、中国独自のビジネスモデルが多数誕生していて、アメリカや日本の企業家も中国に注目しています。

ここ最近急激に普及したサービスだと、自転車のシェアリングです。日本でも自転車のシェアリングは昔からありますが、中国ほど普及しているわけではありません。中国ではMobikeという企業が一番有名で、特徴としては料金の支払いから鍵の解除まで全てスマホで完結し、なおかつ好きな場所に乗り捨てられることです。

世の中を見ると多くのサービスがありますが、中国では自転車のシェアリングが流行っているそうです。

GPS機能を使うことで、最寄りの自転車も検索できるそうです。中国は駅間の距離が遠く、人口密度も高いので、独自のビジネスが発展したそうです。

こういう独自のサービスを最初に作った人はすごいですね。結局は需要が必要なことがビジネスになる典型ですね。

 

中国の無人コンビニ

日本でも自分でバーコードを読み込んで会計する「セルフレジ」は存在しますが、中国はさらに先を行っています。先日、中国のスタートアップの「BingoBox」が完全に無人のコンビニをオープンさせて話題になりました。~中略~

また、中国ではSNSやスマホ決済に紐づいた信用スコアが存在していて、悪事を働くとこのスコアが下がり、SNSやスマホ決済の利用が凍結される可能性があります。スマホで決済ができなくなると事実上あらゆるサービスで支払いができなくなり、圧倒的に不便です。

こう聞くと、中国はもはや世界の最先端を行っているように感じます。

日本でも先進的なことを行っている地域がありますが、それでも中国の勢いが違います。将来的には、中国が先端を走り、それを他の国が真似るようになりそうです。

 

資産経済の肥大化と金余り現象

実際に私たちが生活している経済は少なくとも2つの性質の異なる経済が混ざり合ってできています。労働して給与をもらい、コンビニに行ってお金を払うという一般的な経済は、「消費経済(実体経済)」と呼ばれています。大半の人はこの経済の中で生きているはずです。

もう一つが、お金からお金を生み出す経済、これは「資産経済(金融経済)」と区別されています。こちらの経済をメインに生きている人は資産家や金融マンなどのごく一部の人たちです。

ただ、世の中に流通しているお金の流れの9割近くは資産経済の方で生まれています。

あまり経済を意識したことがなかったので、これについては全く知りませんでした。

資産経済の方が多いので、逆にお金が消費されていないそうです。そのため、相対的にお金の価値が減少していると筆者は主張します。

確かに昔に比べて、貯金があまり推奨されていない気がしています。それは若い人が、お金の価値を無意識に低いものと考えているのかもしれません。自分も、貯金よりもやりたいことをやるということで会社を辞めた人間なので、同じ考えかもしれません。

一方で、親世代はとにかく貯金しろといいます。やりたいことよりも、将来の老後を考えろと。これは、もう時代が昔とは変わったと思います。

 

資本主義から価値主義へ

あらゆる「価値」を最大化しておけば、その価値をいつでもお金に変換することができますし、お金以外にものと交換することもできるようになりますし、お金以外にものと交換することもできるようになります。お金は価値を資本主義経済の中で使える形に変換したものに過ぎず、価値を媒介する1つの選択肢に過ぎません。

人気のあるYoutuberほど、お金を失うことは怖くないが、ファンやチャンネル登録者を失うのは怖いと言います。これはYoutuberが、自分の価値は動画を見てくれるファンの人たちからの「興味」・「関心」であり、お金はその価値の一部を変換したものに過ぎないということをよく理解しているからだと思います。彼らにはファンやユーザーからの興味・関心という精神的な価値を最大化することが最も重要になります。

お金の価値よりも、他の価値の方が増加しています。

それは精神的なものだったり、生きる上での幸せを感じるものだったりします。これは非常に腑に落ちる話でした。私個人まだまだお金の価値が高く、Youtuberなどに投げ銭を払う気はありませんが、多くの人がそのようなお金の使い方をしています。それが今の時代の本質的なことに感じますし、非常に納得できました。

 

「評価経済」の落とし穴

「注目経済」「関心経済」においての必勝パターンは、何を犠牲にしても注目と関心を集めることに尽きます。例えば、倫理的に問題のあるような行為をして、それを動画に収めてYoutubeにアップして炎上させて再生数を稼ぐといったこともよくやられています。確かにこれによって視聴者数は伸びて注目や関心は集まるでしょうし、再生数に応じてYoutubeから広告費も支払われるでしょう。

ただ、この動画を見た多くの人は、面白さや好奇心などの内面的な価値が刺激される一方で、共感や好意などの他の内面的な価値や、社会の存続に関わる治安や倫理などの社会的な価値が損なわれたと感じるはずです。つまり、注目や関心を引くために、その他の価値を犠牲にするような行為は、多くの人にとって受け入れがたいものになってしまいます。

これは最近の傾向でよく感じます。例えば、警察の前で白い粉を落として逃げるといった動画(白い粉ドッキリ)は非常に悪質に感じました。子供でも、自宅の住所や自分の名前を晒して再生数を稼ぐといったものもあります。

そういったことは短期的に評価を得ることができますが、総合的には非常にマイナスになります。やはり、倫理的にも問題ない利益を追求する必要があります。

 

デジタルネイティブからトークンネイティブへ

Gumiの國光宏尚社長と食事をしている時に彼が「トークンネイティブ」という言葉を使っていて、非常に的を射た表現だと思いました。トークンネイティブの世代は、生まれた瞬間からビットコインやブロックチェーンに当たり前に触れて使いこなすことができ、今の私たちとは全く違う視点でお金や経済のことを捉えているでしょう。その時には自分のようなデジタルネイティブの世代が思いつきもしないサービスがどんどん生まれるはずです。デジタルネイティブ世代はトークンネイティブ世代がつくるサービスが理解できなくなり、「規制が必要だ」という話をしているかもしれません。

私はデジタルネイティブ世代ですが、今のトークンネイティブ世代は全く理解できていません。今当たり前に思っていることも時代が進めば、変わります。今の常識が通用しなくなります。今より50年後は想像もしないことが起こると思うと、楽しみでもあり不安でもあります。

 

人生の意義を持つことが「価値」になった世代

ミレニアル世代以前は足りないものがあって、それを埋めるために必死に頑張るという明確な方向性を持っていました。そして、その基盤を受け継いだ世代は満たされてしまっているので、何に向かって頑張れば良いのかわからなくなっている。そしてその不完全燃焼のような感覚が多くの人を不幸にしているという事実。おそらく上の世代からは「なんて贅沢な悩みだ!」とお叱りを受けるかと思いますが、これが深刻になってきているので、危機感を覚えている人が増えてきたということです。

ミレニアル世代は欠けているものがないので何をモチベーションに頑張ったら良いかがわからない。だから、欠けているものはないけれど人の手によって人工的に「意義」や「目的」を創り出そうというのが、ザッカーバーグの主張です。そして人生の意義や目的とは欠落・欲求不満から生まれるものですが、あらゆるものが満たされた世界ではこの人生の意義や目的こそが逆に「価値」になりつつあります。

最近の若い人は、特に人生の目標がないように感じます。会社で働いていても、35歳以下ぐらいの人は特に何も目標がなく、ただ働いているだけのように感じました。その理由がわからなかったのですが、最近本を読んでいると、物質的に満たされてしまっているので、それを補う必要がないからという話はよく見ました。

確かに、不足したものを埋めるために努力するものですが、全て満たされていたら特に何もする必要はなくなってしまいます。私は教育に関心があるのですが、きっかけは自分が不登校であり、さらに塾などの教育を受けられなかったからです。そのため、教育が足りていないと思っていますが、満たされている人にとっては不必要なものです。

Googleやフェイスブックなどは、誰もが理解できるミッションをかかげています。それらの会社が優秀な社員を引きつけるのは、働く人たちに人生の意義や目的を提供しているからだと筆者は予想しています。

これも納得できる話で、未来でもこのような意義や人生の目的が重要な価値を示すことは間違い無いように感じます。

 

感想

理系の大学院を出てから、研究所で働いていた時まで、経済などは自分にはほとんど関係ないから文系の人が勝手にやってくれというスタンスでした。

しかし、それは大きな間違いで、自分も経済の一部に組み込まれているのだからという理由で、最近は経済関連の勉強を始めました。

 

今回読んだ書籍は、お金について書かれていて、さらに現在の価値感、未来の経済についてまで書かれています。

私にとっては難しくも感じましたが、現在の置かれている経済の状況を理解するには非常に役立ちました。

 

親世代の人たちとは全く価値観が変わっていることを肌でも感じていましたが、この本を読んで理解することもできました。

特にYoutuberなど新しい形の職業が生まれる中、私もYoutubeやブログでも活動しているので、そういった価値主義を学ぶことができたのは、大きな収穫でした。

 

なんとなく肌で感じていたことを言語化している本なので、今の経済について疑問を持っている人は面白く読めると思います。