みなさんこんばんは。
今回は世界を動かすイノベーターの条件 非常識に発想し、実現できるのはなぜか?を読んだ感想です。
世界を動かすイノベーターに近づきたいと思い、本書籍を読むこととしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者はメリッサ・A・シリング氏です。
ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネス教授であり、イノベーション研究の第一人者です。
翻訳は染田屋茂氏です。
編集者であり、翻訳家でもあります。私が知っている作品だと極大射程という作品があります。
印象に残った内容は?
少数のサンプルを対象にした複数ケーススタディと呼ばれる方法で、イノベーターの成功条件を調べた書籍になります。内容としては、ほとんど伝記に近い内容で、イノベーターたちの人生から、イノベーターに共通する条件を抽出した内容となります。
選択されたイノベーターは以下の人物になるかと思います。
- イーロン・マスク
- アルバート・アインシュタイン
- スティーブ・ジョブズ
- マリー・キュリー
- トマス・エジソン
- ベンジャミン・フランクリン
- ニコラ・テスラ
- ディーン・ケーメン
内向的性格
内向的性格は思慮深く引っ込み思案で、関心がおもに行動よりも観念や自分の内面に向いている場合をいう。一方、外交的性格は社交的で活発であり、たいていは自己主張が強くて遠慮がないと言われる。研究対処のイノベーターには内向的性格に当てはまる者はおらず、自己主張が強かったり、遠慮がなかったりする者も多く、なかには尊大な者さえいる。イノベーターに見られる孤立意識は引っ込み思案から来るものではなく、むしろ周囲の社会に帰属していないか、あるいはその一部ではないと感じていること反映している。
イノベーターのイメージとして、確かに内向的なものがありました。
しかし、行動という面からいうとイノベーターは行動力があるイメージなので、外交的性格なのかもしれませんね。
孤独な時間
孤独な時間は孤立意識を生む原因でもあるし、結果でもある。ほとんどのイノベーターに共通して見られるのが、児童期や青年期に長い時間をひとりで過ごし、もともと関心があったものをさらに追求したことだ。孤独な時間は創造性には有益で、関心を抱いたものについて思索し追求する時間を提供してくれる。さらに、他人の解釈や意見に左右されずに、この世界の仕組みについての確信を深めたり、自分とは何かを問うたりするのにも有効だ。孤独はまた、他人のつくった思考経路の悪影響や妨害を受けることなく、自分の思考を構築していくことを可能にしてくれる。
重要なのが孤独な時間です。
外国もそうかもしれませんが、日本ではつるむことが重要と考えられていると思います。大学でも、グループを形成しないと異端だと思われるかと思います。しかし、イノベーターたちは孤独こそが共通点でもあります。
確かに、他人の影響を受けないという観点では非常に有益だと思いました。自分の価値観を大事にするという点では、非常に納得できます。
個体差
マウスの自発的なランニングは、回し車の回転数を数える装置で記録される。意外にも、それぞれのマウスによって自発的なランニング運動の量に大きな違いが見られた。運動量が最も少なかったマウスは1日平均24回転で、最も活動的なマウスは毎日1万4000回転分走った。各個体のもつそうした習性は、むろん個体によって差はあるが、時間がたっても活動量に変化はなかった。
個体差に大きな差があると感じました。
また、イヌやシカ、トカゲなども同様だそうで、大胆さや積極性などの性格的特性の違いも含めた心理学的要因の組み合わせによってエネルギー消費量の違いが生じていると結論づけているそうです。
増加したドーパミンが躁病などと関係しており、また創造性が増すことも知られています。
一方で、イノベーションと非運動性活動熱産生(個体のエネルギー消費量)の研究はまだないそうなので、筆者と同様に興味を持ちました。
感想
イノベーションを起こす人たちに共通する点を調べた書籍となっています。
イノベーションの本というよりは、どちらかというと伝記に近い内容かと思いました。私の印象では、伝記:イノベーションの話は7:3ぐらいだったと思います。というのも、それぞれのイノベーターの人生を振り返っているので、そこそこの内容量になっているからです。
面白いのは、アインシュタイン以外のイノベーターは睡眠時間が非常に少ないということです。
イーロン・マスクが6時間ぐらいで、それ以外の人間は5時間前後のようです。
ちなみにドーパミンが多いと創造性が上がる一方で、精神病を引き起こすそうです。その効果から、睡眠時間が低いのだろうと想定されます。
つまり創造性を上げると、普通に生活するのは困難になりそうですが、どうでしょうか。
また、イノベーターに共通することとして、理想主義が挙げられます。
理想主義は、熱意によってその仕事に突き進む効果があり、さらには自己防衛を果たすメリットがあります。
これにより、激しい批判に晒されても、無視できるそうです。
今までのイノベーターはほとんど批判にさらされてきましたが、それでも突き進めたのは、理想主義のおかげかもしれません。
私が得た教訓の一つは、自分が理想とするものに突き進むと、成功する確率を上げるのではないかということです。
周りの人に耳を傾かせたくなるときもありますが、全く違ったことをしたい場合は、あまり耳を貸すことはよくありません。
私は会社を辞めてフリーになりましたが、多くの人に批判されました。
それで不安になることも多々ありましたが、この本で自信を得ることもできました。
イノベーターとはどんな人生を歩んできたのか、その人生を含めて知るには良い書籍だと思いました。