みなさんこんばんは。
今回は2014年に出版されたセンスは知識からはじまるを読んだ感想です。
世の中を変えていくためには自分のセンスを磨く必要があると感じているため、読むこととしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。年数は漢字ではなく、数字に書き直しました。
著者は?
著者は水野学氏です。
1972年生まれ。日本のクリエイティブディレクターであり、good design companyの代表取締役でもあります。
印象に残った内容は?
最初にセンスとは何かを言及し、センスの必要性を説きます。
その後、センスは知識が重要との話から、センスを仕事に生かす方法について書かれています。
新しいものが広がるには時間がかかる
大塚製薬の公式サイトによれば、ポカリスエットは1987年に累計発売本数30億本を達成。93年に100億本、98年には200億本達成と、国民的飲料に育っていくまでに長い年月をかけています。2008年に300億本まで売り伸ばしたのは、ポカリスエットが、「誰もが飛びつく新しいアイデア」だったからではありません。「売れるようになるまで、絶対に売る」という大塚製薬の信念と体力が、大ヒット商品に育て上げたのです。オーナー企業だからできたことだといえるでしょう。
革新的なことには時間が必要だと筆者は言います。
現状、数ヶ月売り上げが悪かったら即撤退という企業も多いと思います。私自身もYoutubeをやっているので実感しますが、初期の動画再生数が悪ければ、このシリーズ物に意味はないのではないか?と思ってしまいます。
しかし、長く続けるということに意義があるということですね。
松下幸之助氏の、失敗を成功まで続ければ、それは失敗ではないという言葉に通じるものを感じました。
センスを説明できるか
もしもあなたがデザインを生業とするならば、自分が何を根拠にそのデザインを決定しているかを「感覚」という言葉に逃げずに説明しなくてはなりません。それができてこそ精度の高いアウトプットであり、商品を売れるものへと育てる最良の道です。
センスといえば、感覚ではないかと一般的に思いますが、筆者は説明ができなくてはならないと言います。
筆者はそれを2つの例で紹介しています。
筆者がアリタリア航空(イタリアの会社)からロゴを作ってくれと言われたら、ヘルベチカという書体は使わないと言います。
ヘルベチカは、スイス連邦を表すラテン語が由来であり、イタリアの会社でヘルベチカを使う真っ当な理由を説明できなければ、それは仕事を完結していなことだと主張します。
次に別の例です。
筆者が「The」というブランドを手掛けており、ジーンズといえばリーバイス501のような、そのプロダクトの定番となるものをつくろうと考えたブランドです。
そこで、筆者はザ・書体とは何かについて考えた時、世界で一番使われている書体と書体の源流という2通りの考え方をしました。
書体の源流に着目し、トラジャンという書体を使用することとしました。
活字が生まれた際、どの書体が良いかという基準がありませんでした。そこで、美しいと言われていたローマ遺跡に描かれているトラヤヌス帝の碑文に刻まれていた文字からトラジャンという名前になったようです。
それが、Theのコンセプトそのものではないかということで、トラジャンの書体を使用することにしたそうです。
この考えについて、非常に合理的だと感じました。
「好き」を深掘りしてセンスあるアウトプットをする
「青が好き」という入り口から、40代の男性たちの多くが好きなゴレンジャーという基盤にたどり着き、「黄色」というアウトプットをする。これが「好き」の深堀であり、数字で測れない事象を最適化するための目安なのです。
対象年齢の男性に対してパッケージ色の市場調査を行い、青が好きという回答が一番多いから、パッケージは青にしようというのは間違った判断だと説明します。
筆者は、ターゲットの特性を深掘りすることが重要と説きます。
例えば40代であれば、ゴレンジャーに着目すると。キレンジャーがカレーを好きだったけど、時代を経てカレーうどんにしたら飛びつくのではないかという仮説を立て、黄色いパッケージが正解となることもあるのではないかといいます。
好きを深掘りするというのは、一見簡単に見えましたが、非常に難しく思いました。
しかし、本質はそこにあるのは、なんとなく感じました。
感想
一般的に考えられているセンスは才能というものを否定し、センスは知識から得ることができるということを教えてくれる書籍です。
センスは、美術や芸術などでしか必要ないと感じますが、現代ではセンスも必要です。
有名なものでいえば、iPhoneでしょうか。日本では技術はピカイチですが、センス面で問題があり、市場調査を重要視しすぎな傾向も原因なのかもしれません。
センスを磨く簡単なものとして、いつもと違うルートで会社に行くや、行ったことのない場所に行くというものを提案しています。
これは、ビジネス書でも、普段と違う体験をすることは良いことだと書かれますが、本書籍でも同じようなことを提案しています。
つまり、非日常が一つの重要な要素だということです。
やはり、毎日同じことをしてても、既成概念の枠組みから外れるのは難しいと思います。
もちろん、既存の知識も必要ですが、やはり新しいものには新しい組み合わせが欲しいところです。
そうったことを非日常から体験してつくっていければと思いました。