その企画、もっと面白くできますよ。を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回はその企画、もっと面白くできますよ。を読んだ感想です。

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面白いという言葉に惹かれて読むこととしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

 

著者は?

著者は中尾孝年氏です。

電通のクリエイティブディレクターであり、一時期話題になったアイスの実「AKB48江口愛実登場」というCMを手掛けた人物です。

他には、サノヤス造船の「造船番長」や塩野義製薬の「もしもブラマヨの吉田がもっと早く皮フ科へ行っていたら」なども企画されています。

印象に残った内容は?

まずはビジネスにおける面白さとは一体何なのかということについて紹介し、実際に著者が作った面白いというCMを紹介しながら、どうやってそのCMを作ったかの説明です。

最後に、面白さを作るための考え方の紹介になっています。

 

みんなの面白いが重なった場所

つまり、みんなの思いが重なった場所には、どの「面白い」が最適か?「怖い」なのか「楽しい」なのか「驚き」なのか「納得」なのか……を考えます。その際、先ほどお話ししたように「面白い」は「オモロイ」よりも圧倒的に守備範囲が広いので、必ず複数の「思い」を満たす最適な「面白い」が存在します。

そして、その「面白い」には、どんな伝え方、表し方が最適か?コピーで伝えるか、映像表現のトーン&マナーで伝えるか、合わせ技で伝えるか……、を考えます。

やはり自分が面白いと思えるものでないと、面白さは作れないとの考えです。

ただ、それでは物事が進まないので、色々な人の重なる部分を選択します。例えば、クライアントが望むことで、クリエイターとの共通の思い、またターゲットが望む共通の思いを抽出し、皆が重なる部分を選択します。

それをどう伝えるかを次に考えます。

クリエイターをやっている人ならわかると思いますが、やはり自分がやりたいことが一番のメインになるかと思います。もしくは、顧客が望んだことがメインになってしまい、自分がやりたいことがやれないということが多々生じます。

そのため、皆が納得できるという点を探し選択するというのは非常に理にかなっています。

 

WEB全盛期の広告で世の中を動かす方法

  1. 「広告する為の広告」から「報道される為の広告」へ
  2. 「発信する情報」と「発見させる情報」の用意
  3. 欲求不満と解消の繰り返し
  4. コントロールすることと対応することの見極め
  5. 賛成派だけを増やそうとしない

上記の法則をアイスの実の「AKB48江口愛実登場」での例をとって紹介しています。

①では、主観で主張するのではなく、第三者的に聞いた方が主張を聞きやすくなる点があります。

②では、みんなが同じ情報を持っていない方、つまり自分しか持っていない情報があれば、その人がSNSで発信しやすくなります。

③では、情報を知りたいという欲求を使い、飽きが来ないように小出しに情報を出していきます。

④では、無理に顧客をコントロールしすぎないようにします。なぜなら顧客はコントロールされることを嫌うからです。

⑤では、話題になるということは賛成派だけが増えるということではないとのことです。賛成派だけを増やしてしまうと、最終的に反対派の大炎上などが生じます。そのため、賛成派を増やすのではなく、興味を持つ人を増やすというのが手のようです。

本書籍では、より詳しく解説していますが、簡単にまとめただけでも非常に参考になります。

 

相手の気持ちを考える

見せる側(自分)の気持ち<見る側(相手)の気持ち

見る側の気持ちを考えるのが重要とのことです。

これは、問題の例が非常にわかりやすかったです。

あるポストでの立小便が多いです。その横に看板を置き、立小便がなくなるようにしてください。

 

という問題で、私は「神が見ている」という解決例を考えました。

筆者によると、答えは以下の4パターンに分けられるそうです。

  • 怖れor畏れさせる
  • 脅迫
  • 辱め
  • 懇願

私の回答も畏れに当てはまります。

 

しかし、違うパターンは、この先トイレやこの先コンビニでした。

つまりおしっこが漏れそうな、ターゲットに寄り添った内容になります。

 

これは、勉強になりました。たしかに、作品をつくると、自分が何を作るかが主体になってしまいます。

筆者は、伝えることと伝わることは違うと言います。ターゲットに寄り添うというスタンスが重要ですね。

 

感想

今まで見たアイディア系の書籍で一番面白かったです。

もちろんCMも面白かったですし、失敗例も多く載せていたので、親近感が湧いたからかもしれません。

 

また筆者が最後に、「全部話しちゃった」というぐらい、ノウハウについて書かれていました。

私にとって非常に参考になる内容づくしでした。

 

面白さをつくるというところでは、演者たちが本気でやるというものが参考になりました。

どういうものかというと、本人が真剣にやっているけど、周りには笑えてしまうというものがあるかと思います。あれです。

 

CMの例

バレーボール編

ちょっとCMがなかったので残念なんですけど、一つの例は、バレーボールです。

ミエライスの無洗米「バレーボール」編というCMです。

 

これは無洗米が手間がなくなるということで、コンセプトは「手が話せないほど忙しいあなたに。」となります。

忙しい人がやるのが面白いということで筆者がたどり着いたのが、レシーブも米とぎもミスが許されないという真剣さです。

 

内容は、米とぎをしながら、バレーボールが飛んできてそれをレシーブしつつ、米とぎをするというものです。

撮影前に出演者のおばさんに、「1秒間でCMは何百万とかかるので失敗しないでください」と言ったそうです。

そのため、おばさんが超真剣で、絶対に失敗しないようにレシーブと米とぎをしたそうです笑。

 

ジェスチャー編

2つ目が無洗米のジェスチャー編です。

「お米をとがなくていい」というコンセプトでした。

 

これを筆者がジェスチャーでやることを考えました。

そこで、回答者のおばさんが真剣にやることが面白いということも筆者が思いつきました。

 

そこで、オーディション中に「ジェスチャーに正解した人が本番のCMに出れる」という説明をして、ジェスチャークイズに挑戦してもらったそうです。


編集で短くなっていますが、本当は20分くらいかかったそうです笑。

 

食の安全「木」篇

3つ目の例です。

このコンセプトは「食の安全・安心」です。

 

筆者は食品に混入した異物を木と同化するカメレオンアートで表現することにしました。

木に化けた人を、木こりが切るというテーマが決まったのですが、やりとりが面白くならないと悩みます。

そこで、それぞれの演者自身がやることだけ伝えて、相手がどう対応するかは教えないようにそうです。

それが次のCMです。

 

ちなみに、木をやっていたのは、筆者の後輩だそうです。

実際に、クリエイターたちがやるから面白い作品が作れるんですね。

 

 

本書籍を読んで思ったのは、筆者が非常にSNSの使いがうまいことです。

現代でSNSをうまく使ったものが勝てるのは誰でもわかると思います。

 

そのなかで、筆者のSNSの操作が群を抜いてうまいと思いました。

多分、精神コントロールなど人の操作などもうまいのでしょう笑。

 

センスで済まして良いかわかりませんが、センスも抜群ですし、その時代の特性を読んでいるからこそ、素晴らしい作品を作り出せたのだと思いました。

 

私がこの本で一番勉強になったのは、ターゲットによりそうことです。

まずはこれをメインに考えて、作品をつくっていきたいと思いました。