サブスクリプション 「顧客の成功」が利益を生む新時代のビジネスモデルを読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回はサブスクリプション 「顧客の成功」が利益を生む新時代のビジネスモデルを読んだ感想です。

 

今巷に溢れているサブスクリプションの原理を学ぶため、読むこととしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

 

 

著者は?

著者はティエン・ツォ氏とゲイブ・ワイザート氏です。

ティエン・ツォ氏はセールスフォース・ドットコムの創業期に入社し、CMOやCSOを歴任。2007年にはZuora社を創業して、CEOに就任。2018年4月に上場しています。

ゲイブ・ワイザート氏は、ZuoraのSubcribed誌編集長です。

監訳は桑野順一郎氏です。Zuora Japan株式会社の代表取締役社長です。

訳は御立英史氏です。出版社で書籍編集を担当後、翻訳者として活動しています。

 

印象に残った内容は?

全体的にサブスクリプションの説明となります。昔の製造業における製品販売との違いの紹介や、アドビのサブスクリプションへの決断など、サブスクリプションについて包括的に書かれています。

 

アドビの決断

アドビにサブスクリプション方式への移行を急がせたものは何か?ソフトウェアのライセンス事業は同社にとって金のなる木で、2011年に34億ドルを売り上げ、その粗利益率はなんと97%という高さだった。こんな数字を見せられて、そこに問題を見つけることができる経営者はいない。だが、いくつか厄介な兆候があった。アドビの事業拡大はおもに価格上昇の結果であり、ユーザー数は増加していなかった。

アドビですが、2012年(日本)にサブスクリプションモデルに移行しました。

当時、私は大学生で、研究室でイラストレーターを利用していました。今ではマイクロソフトオフィスなど月額支払いが当たり前ですが、当時はなんでこのようなモデルにするのだと憤りがありました(学生に月額はつらい)。しかし、現在ビジネスの視点で見ると、アドビの決断は、サブスクリプションへの先駆けだったことがわかりました。97%の粗利益率の中で、このような素早い時点で決断したのは、すごいことなのだと改めて思いました。

 

製品ではなく結果を売る

私たちがいつも受ける1つの質問はこれだー理屈はわかったが、どうすればそれを売ることができるのか?

接続されたデバイスから固有のデータが得られるなら、その情報を消費者、広告主、再販業社、業界団体など、さまざまな種類の顧客に販売できる。その情報にメリットを認める複数の顧客が存在するなら、柔軟な価格設定やパッケージングによって同じ情報を売ることが可能だ。

従来の利益を得る方法は、製造した商品を得ることでした。しかし、ITが発達し、IoT化が進むにつれ、情報の入手が容易になりました。そのため、企業は製品ではなく、結果(情報)を売ることができるようになりました。

また、従来の企業は新製品を発売すると、他の競合が分解し、どのような構成か知ることができました。しかし、現代では情報は他の競合が入手することができません。その点でも、顧客が望む情報は、その会社しか手に入れることができないのです。

前提条件としては、そのために優れた結果を売れるサービスがあることが前提になります。例えばネットフリックスであれば、つまらない番組しかなければ誰も契約しないでしょう。最も基本にあるのは、提供できるサービスの価値だと感じました。

 

分析はアートでありサイエンス?

しかし、いったんサブスクライバーの数がクリティカルマス[意味のあることが起こり始める十分な量〕に達すればー彼らが誰であるか、彼らがどのように行動しているかが見え始めーマーケティングの仕事はアートであるのと同時にサイエンスになる。

今までは、顧客が何を望んでいるか、完璧に知る手段はありませんでした。しかし、現在インターネット上でサービスを提供することで、顧客が何を望むかがわかるようになってきました。

従来は、市場調査をしてから販売に臨むことが多かったと思いますが、現在は顧客にサービスを提供することが市場調査も兼ねているのです。

最初の立ち上げはアートであるかもしれませんが、顧客を獲得してからはその情報を利用した実験になります。

私はブログもYoutubeもやっているので、これはなんとなくわかります。視聴者が何を望むのか、人気記事などからわかることがあります。

 

感想

サブスクリプションモデルについて網羅的に書かれている書籍です。

300ページの厚みがあるので、結構なボリュームに感じました。企業として、サブスクリプションを考えている人は読みやすいかもしれませんが、私のように興味で読んだ人は、なかなかその知識を活かすのは難しく感じました。

 

ただ、課金モデルは勉強になりました。料金体系は多数考えられるからです。

例えば、使用量によって料金を課金していくモデルです。これは、ドロップボックスを1GBは無料で、使用ストレージ量を増やすごとに料金を上げていくものです。

また、他には機能を増やすと料金を増やすモデルです。これはアドビなどが当てはまります。例えばフォトショップだけのプランでは月額1000円だったと思いますが、これにイラストレーターなどを追加していくと、それに伴い料金が増額します。

 

 

私のイメージでは、月額課金=サブスクリプションの理解ですが、それは違うと監訳者の桑野順一郎氏はあとがきに書かれています。

月額課金は料金プランが固定的ですが、サブスクリプションでは顧客のニーズに対応し、アップグレードやダウングレードなど解約を防ぐため、顧客のためになるよう提案していくサービスとしています。わかりやすく言われていますが、永遠のベータ版としてサービスを進化させていくとのことです。

 

これからどんどんサブスクリプションモデルが増えていくと思います。私はネットフリックスと契約していますが、親にもネットフリックスは大好評でした(金額により、4人までアカウントを作れるため)。

一方、友人は音楽を聴けるサービスのSpotifyと契約しています。ありとあらゆる場所にサブスクリプションを見かけています。今後どのようにサブスクリプションの状況が変わっていくか注視していきたいと思います。