天才!成功する人々の法則を読んだ感想

みなさんこんばんは。

 

今回は天才!成功する人々の法則を読んだ感想です。

 

言わずと知れた、成功するためには1万時間必要と提案した本になります。よくビジネス本で引用はみかけていたので、実際に読んでみることにしました。

 

以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。

著者は?

著者はマルコム・グラッドウェル氏です。

カナダのジャーナリストであり、著者です。1996年以来、The New Yorkerのスタッフライターを務めています。

前著の第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しいは世界で200万部を超えるベストセラーになっています。

 

訳者は勝間和代氏です。

評論家であり、公認会計士で、中央大学大学院経営研究家客員教授です。珍しい経歴で、2015年に麻雀のプロ試験に合格されているマルチな方です。

 

印象に残った内容は?

本著では、実際に成功した人間の周囲の環境から、天才について考える内容となっています。

 

自己充足的予言

カナダでアイスホッケーの代表を選ぶ方法は、社会学者のロバート・マートンが”自己充足的予言”と呼んで有名になった現象の格好の例だ。マートンは、「最初は誤った定義だが・・・・・・誤った定義を与えると、与えられた方が、みずからそれを実現させるように行動する」プロセスを、自己充足的予言と呼んだ。カナダでは、9歳と10歳の子どもたちの中から、優れたアイスホッケー選手を”誤った定義”によって選び出す。なぜなら、預言者は毎年、同じ年齢の中から少々早く生まれた子どもを選んでいるに過ぎないからである。だが、選んだ子どもたちを”代表メンバー”として扱えば、結局は、最初の誤った定義が正しいものになる。マートンは言う。「自己充足的予言の見かけの妥当性は、思い違いに長く影響を及ぼす。なぜなら、預言者は実現した現象を見て、最初から自分の定義が正しかった証拠だと考えるからだ」。

教育におけるピグマリオン効果と近いものを感じました。日本の学校も同様に、4月生まれの方が有利なのでしょうね。

 

誕生日と能力の相関

最近、ケリー・ベダードとエリザベス・デューイという経済学者が、TIMSS(国際数学・理科教育動向調査。世界中の多くの国が参加し小学四年生と中学二年生を対象に数学と理科のテストを4年ごとに行う)の成績と誕生月との関係を調べた。小学四年生の場合、年度内の早い月に生まれた子どもは遅い月に生まれた子どもより、4~12パーセントタイル点(パーセントタイルとは、100人に換算した場合、低い方から何番目かを示す尺度のこと)も上回った。

アイスホッケーの選手も、年度で誕生日が早い方が選手として成功する結果も提示されましたが、学力でも同様です。

ちなみに私の兄は早生まれの2月生まれです。

そのため、やっぱり頭の回転などが遅く、あまり成績も良い方ではなかったと思います。

上記結果は納得の結果ではありますが、そこまで大きい影響を与えていたとは思いませんでした。

 

1万時間の法則

エリクソンたちは、プロとアマチュアのピアニストについても調べたところ、同じ傾向が見られた。アマチュアは子どものころ、週に3時間以上は練習しなかったし、20歳時点の練習時間の合計は2000時間だった。プロの場合は、毎年、練習時間がだんだん増えていき、20歳のころにはバイオリニストと同じく、合計が1万時間に達していた。

ここで注目すべきなのは、エリクソンが”生まれつきの天才”を見つけられなかったことだ。仲間が黙々と練習に励む、その何分の一かの時間で、楽々とトップの座を楽しむような音楽家はいなかった。その反対に、他の誰よりも練習するが、トップランクに入る力がないタイプである”ガリ勉屋”も見つからなかった。

有名な結果です。

非常に単純明快で、プロとアマチュアを分けるのは、練習時間だけです。

これは、現在アマチュアでプロになりたい人も、まずは1万時間を目指すということです。

素晴らしいのは、生まれつきの天才もガリ勉屋もいないとのことです。

時間をつぎ込めば誰でも成功できるのです。

 

親業スタイル

ラローは中産階級の親業スタイルを”共同育成”と名づける。中産階級の親は積極的に”子どもの才能や考え方や技能を育み、評価”しようとする。一方、貧困家庭の親は”自然な成長による結果”を待つ戦略傾向にある。貧困家庭の親は子どもの面倒を見る責任は認めるが、子どもに自由に成長させ、子ども自身の発達に任せる。

ラローは、どちらかが勝っているわけではないと強調する。

ラローはどちらかが勝っているわけではないと言いますが、本文中では明らかに共同育成の方に分がありました。

つまり、親がコーチや学校の先生に意見するのです。あまり良いイメージはありませんが、それだけ子供との繋がりも強いので、良い影響もあるのでしょうか。

 

「数字に強い」は言語で決まる?

数の数え方が規則的なために、アジアの子どもは、足し算などの基礎的な計算をずっと簡単にこなせる。英語を話す7歳の子どもに、37足す22を計算させてみればいい。彼らはまず、サーティセブンとトゥエンティトゥーという言葉を、37と22という数字に変換しなければならない。変換してはじめて足し算に取りかかれる。2足す7は9。30足す20は50。だから答えは59。アジア人の子どもに同じ問題を出せば、質問がそのまま等式になる。言葉を数字に変換する必要がなり。答えはファイブーテンズーナイン。

文化的な違いによる数学の強さの話です。

たしか、中世前ではイスラム世界の方がヨーロッパよりも数学が進んでいた気がします。

日本でも、我々群馬人が誇る和算の大家関孝和も、日本の人間ですしね。

 

感想

非常面白い本でした。

ただ時間的な制約で全ては読むことはできませんでした。

多くが、天才の周囲の生活から考察する展開になっていますが、詳しく生活関連を描写してあります。

それ自体も面白いのですが、その生活関連部分が非常に長いので読むのも大変でした。

時間があるときに読むと、面白そうです。これは一読する価値があると思います。