みなさんこんばんは。
今回は残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学するを読んだ感想です。
以前から本屋の店頭で気になっており、成功するための確率を上げるためにも読むこととしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者はエリック・バーカー氏です。
エリック・バーカー氏は、ブログ”Bearking Up The Wrong Tree”の執筆者として有名な方です。
監訳は橘玲氏です。著書では、マネーロンダリングや永遠の旅行者などがあります。
翻訳は竹中てる実氏です。
印象に残った内容は?
成功した人間を考察するため、特殊部隊や犯罪者、アインシュタインなどについて、多数の視点から成功するための法則を解き明かします。
偉大なリーダーの意外な条件
インタビューに応じてくれたムクンダは私にこう語った。「良いリーダーと偉大なリーダーの差は程度の問題ではなく、両者は根本的に異なる人間なのです」。
宥和政策の失敗を見た英国民が、「もっと良いチェンバレンを」と、同じ従来型の首相を求めていたら、見るも無惨な結果になっただろう。彼らが必要としたのはもっと「ふるいにかけられた」リーダーではなく、システムがこれまで締めだしてきた規格外のリーダーだった。伝統的なやり方が通用しなかったのに、同じパターンを繰り返したら悲惨な結末になる。ヒトラーのような敵を倒すには、異端のチャーチルこそが最適だったのだ。
うまくいっている時は、優秀な人間をリーダーに選択すれば良いですが、うまくいかない時こそ規格外の人間を選択するのも一つの選択肢です。
ただ、ふるいにかけられていないリーダーはしばしば従来のシステムを破壊することがあるそうです。そのため、リンカーンのように悪しき奴隷制を破壊することもあります。これは良い面もあれば、悪い面もあります。経営が傾いている会社こそ、従来と違う考えの社長の方が、悪い風習を除去できるのでしょうかね。
天才の正体
イスラエル国防軍は、衛星写真の情報を分析する専門部隊を編成することになった。超人的な視認技能を有し、一日中同じ場所を見続けても飽きず、微細な変化も見逃さない兵士が求められた。難しい任務だ。ところが同軍は意外なところから打ってつけの人材を確保した。それは自閉症と診断された人びとだった。自閉症の人は対人関係に困難を抱えるが、その多くはパズルなどの視覚的作業に秀でている。彼らは、自分たちも国防に役立つ有用な人材であることを証明したのだ。
これは全く知らない話でした。
場所が変われば才能の評価も変わるという一例でしょうか。
裕福な人は規則を守るか
増強装置を持つ者は、その特性の良い面、悪い面をあわせ持つことになる。論文『悪癖を矯正することの経済的価値:不品行、学校教育、労働市場』の著者たちは男児の攻撃性や不品行をなくそうとすることは、彼らの成績改善には役立つが、生涯の収入を減らすことを明らかにした。かんしゃくを起こすなど感情を露わにする男児はそうでない男児と比べて、たくさん働き、より生産的で、収入が三%高いことが明らかになった。
中小企業の社長の中には、怒鳴り散らす人が、大手の会社よりも多く感じます。
しかし、そのようなかんしゃくを起こす方が、より生産的ということは、驚くべきことだとは思います。
実社会でどんな人でもできる「増強装置」の使い方
自分を改善することは大切な心がけだが、私たちの根本的な個性はそれほど変化しないことが研究でも示されている。たとえば話すときの流暢さ、適応性、衝動性、謙虚さなどは、幼少期から成人期を通してほぼ変わらない。
昔の友人に会うと、ほとんど性格に違いが見られないことがほとんどです。
これは、幼少期から変わらないことを示しています。
どんな困難も乗り越える人に「必ず共通する習性」
人は毎分頭のなかで、300~1000語もの言葉をつぶやいているという。そのなかにはポジティブな言葉(「きっとできる」)も、ネガティブな言葉(「ああ、もう我慢できない」)も含まれている。そして前向きな言葉は、私たちの精神的な強さややり抜く力に大きなプラスの影響をもたらすことがわかった。このことは、その後に行われた陸軍による研究でも裏づけられている。
そこで海軍は、BUD/S志願者に、自分に対してポジティブに語りかけるようにと、ほかの精神療法とあわせて指導した。その結果、訓練の合格率が10%向上したという。
成功する上で重要なグリットですが、ポジティブシンキングが大事とのことです。
これは今すぐにでも始められることなので、辛い仕事をしている人は、今すぐにでもポジティブな言葉を想像しましょう。
実際の結果からも、効果がありそうです。どこかの話で見ましたが、神頼みも、成功率を10%上げる効果があったかと思います。
目標達成まであと一歩
すべてをそつなくやろうとするのが落とし穴。「マシュマロ・チャレンジ」で圧勝した強者の幼稚園児たちのように、何でも試し、失敗して学ぼう。これは文字通りの意味で、人は子どものように考えるほうが、創造性を発揮できると研究でも示されている。
マシュマロ・チャレンジの多くの参加者たちは、まずは課題の確認(塔をどう建てるか)に大半の時間を割きます。
一方で幼稚園児たちは、マシュマロを一番上に置いた状態で、何度も繰り返します。トライ&エラーこそが大事なことで、なおかつフィードバックもすぐに得ることができます。この幼稚園児の姿勢は、社会人として参考になるものがあります。
仕事の大成功と家庭円満は両立しない
世界的レベルで成功するためには、こうした生き方が本当に必要なのだろうか?残念なことに、そうらしい。ロンドンスクール・オブ・エコノミクスの進化心理学者、金沢聡の論文『なぜ生産性は年齢とともに衰えるのかー犯罪と天才に見られる共通性』では、少なくとも男性の場合、結婚は、科学者、作家、ジャズミュージシャン、画家、さらには犯罪者の生産活動に著しいマイナス効果を及ぼすという結果が報告された。金沢によれば、「科学者は結婚後、ただちに研究活動が衰えるが、未婚の科学者は、晩年まで偉大な科学的貢献を続ける」。
これは私もそう思います。
今まで100%の力を仕事に費やせていたのが、家庭ができるとそれに時間を割かなければなりません。もし時間を割かなければ、離婚に到るでしょう。
結婚するなら、業績は諦めるしかないでしょう。それは、絶対的に時間の関係上でも無理だと私も思います。
人生の破滅へ一直線の「崩壊戦略」を避ける方法
ローラ・ナッシュとハワード・スティーブソンの調査結果から、幸福の測定基準として、次の四つが必須要素であることが明らかになった。
- 幸福感 人生から喜びと満足感を得ていること
- 達成感 何らかの業績でほかに抜きんでていること
- 存在意義 身近な人びとに、ポジティブな影響を及ぼしていること
- 育成 自分の価値観や業績によって、誰かの未来の成功を助けていること
幸せになるためのビック・フォー(幸福の四要素)です。
これらを平易に書くと、楽しむ、目標を達成する、他者の役に立つ、伝えるになります。
これらの要素を考えて、人生をより良いものにしていきたいものです。
感想
私の中で非常に面白かった本です。
他の成功した人の人生を知れること、その成功の要素を考察していること、実際の結果から導き出されているので信憑性が高いこと、多くの知らなかった情報を知れたことなど、これらのことから、私にとって非常に価値の高い本でした。
ただページ数が膨大で360ページほどあります。
また、豊富な参考文献で、他の本も読もうという気になりました。
成功という言葉が気になっている人は、読む価値があると思います。