みなさんこんばんは。
今回は一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てるを読んだ感想です。
2016年出版
子供を育てることは大人にとって一番重要なことだと考えています。そして勉強や仕事ができるようになってくれればなおさら嬉しいと思います。
もちろん勉強や仕事だけが重要だとは思いませんが、それでも三流より二流、二流より一流になって欲しいと思うのが親心です。そこで一流の育て方というタイトルに惹かれ読むことにしました。
以下、書籍より引用した文章については下記のボックスで囲みます。
著者は?
著者はムーギー・キム氏(1977年生まれ)とミセス・パンプキン氏(1947年生まれ)です。
ムーギー・キム氏は英語・中国語、韓国語、日本語を操り、大手プライベートエクイティファンドで勤務しています。
また、東洋経済オンラインでの連載「グローバルエリートは見た!」は年間3000万PVの大人気コラムとなっています。
ミセス・パンプキン氏も東洋経済オンラインの「ミセス・パンプキンの人生相談室」で人気を博しています。
ちなみにムーギー・キム氏とミセス・パンプキン氏は親子です。
印象に残った内容は?
本書は、東大、京大、早慶を中心とした学生の中で、学生時代にリーダーシップを発揮しグローバル企業に進んだ学生に、親の家庭教育を振り返って良かった点、反省点を記載してもらったアンケート結果を掲載しています。そのアンケート結果を紹介しながら、筆者の母親であるミセス・パンプキン氏が自分の教育について振り返りつつ、教育にとって重要だと思うことをまとめている書籍です。
やはり自発的な読書は大事
ですが、それより昔、周りに本が少なかった小学生時代に、自分から好きで「リンカーン」や「ヘレン・ケラー」「ナイチンゲール」「キュリー夫人」といった伝記を読んだときは、いつまでも感動していたものです。いまだにその内容や、そこで説かれていた正義感や死闘ともいえる努力、そしてその偉業を、はっきりと覚えているほどです。
こうした体験からも、流行の本や家にある本を読ませるのではなく、子供の関心に合わせて本を選び与えることが、子供を本好きにする第一歩だと思っています。
教育で大事だといわれる読書です。
ここでは無理やり読ませる(家にある本や有名書籍を読ませる)のではなく、自発的な興味で読ませるのが良いとの話です。大人になっても無理やり興味のない仕事で使う本を読むよりも、好きな本を読んだ方が頭に入りやすいのは当然かと思います。
子供の場合は大人よりもより顕著なので、子供が興味を持った本を買い与えたり、図書館にいくべきだと思います。それが大人の義務なのではないかと勝手に思いました。
主観ですが、フリーランスになってから本を読むようになって、会社勤めの時よりも100倍ぐらい頭が良くなったように感じています。やはり、いつの時代も読書は大事だと痛感しています。
お金の管理
お金の管理に関して、私の知人で、子供に1年分のまとまったお小遣いを与え、そのお小遣い帳をつけさせている親御さんがおられます。
アンケートで見られたところでは、学校や生活に必要なものを逐一親が買い与えるのではなく、必要資金をまとめて渡してやりくりさせたり、大学生からは自分で生活費や学費を管理させたりといった方策も、お金に対する規律を教えるうえで効果があるようです。
お金を子供に管理させる方法は、社会人になった時に役立つように思いました。親が子供にお金を不定期に渡す方法よりも効率的だと思います。
私の家では必要な時に、必要なだけ親がお金を提供するシステムでした。しかし、親が大学にいっていないこともあり、大学では奨学金禁止、アルバイト禁止で学業に集中しなさいと言われました。必要だったらお金は提供すると。ただ、塾に行けないほどお金がない家だったので、お金を無心することができず、ほとんど娯楽費にお金をもらうことができませんでした(カラオケや外食に学生時代いったことがない)。
そのため、親が定額制なり、お金を子供に与え管理させた上で、必要に応じてお金を提供するシステム(修学旅行代など)にしないと無心できない子供はかわいそうに思います。
子供に話してはいけない話について
小さい子どもには「本音と建て前」のような考え方もありません。親が誇張して言ったような悪口も、そのまま受け取ってしまいます。
長男が幼稚園のころ、先生が保護者たちに「子どもには『ここだけの話』をしないようにしてください。子どもたちは、『ここだけの話』という言葉まで含めて全部、幼稚園で私に話してくれていますよ」と注意していたものです。
これは一番ためになりました。
私自身子供は1人の人間として対応したいと思っていましたが、それでも当然子供です。大人が他の人には言わないだろうと思ったことも言ってしまうことは想像できます。
偏見、悪口など、大人にとっては周りに直接言えない話でも、子供は平気で言ってしまいます。子供に話すことは吟味したほうがよさそうです。
感想
一流とはどういうことかわかりませんが、本書では東大、京大、早慶に出て、有名企業に入社する人間にアンケートをとっていることから、そういう人間と定義しているように感じます。もちろん単純に頭の良い子を育てるのではなく、リーダーシップをとり、主体性を持った企業で活躍する人間を一流としていると記載がありますが、アンケート対象はわかりやすく高学歴、有名企業としているようです。
そういった、一流の大学に出て、一流の企業に入社する学生にアンケートをとって、親の教育を振り返り、教育に重要なことをまとめたのが本書籍です。
構成としては、大学生のアンケートが2~3つ記載し、著者の母親が自分の経験談を書くと言う構成です。これが全部で55回繰り返されます。
良い点として、アンケートの実際の生の声が書かれているので、子供が親の教育をどう思っていたかわかります。重要なことも55個提示され、見ると確かに重要だと思いました。
ただ、構成が全てアンケート→母親の話なので、55回読むのが非常に疲れました。
また母親も、結局は子供が4人、成功して海外で活躍していると言った自慢話になっているように感じました。
もちろん親の努力、子供の努力もあると思うのですが、ある程度の経済力で子供を中学お受験、海外留学させる資金力を持っていたことから、群馬の片田舎の塾にも行けなかった人間にはスケールが違う話に感じました。
もちろんためになる話もありましたが、構成が読むのがしんどかったので、10項目ぐらいにまとめて、子育ての話は教育評論家が講評するとより良かったのではないかと思いました。
個人的には、子供に自由を与える、子供に選択肢を与える、子供と議論する、子供を強制的に勉強させないといったことが参考になりました。
最近疑問に思うのが、一人っ子の子供の教育に失敗したらその母親がダメかのように言われる現代ですが、そんなことはないと感じています。
例えば、10人子供がいて、8人が出世、2人がニートだったら成功なのでしょうか、失敗なのでしょうか。
私は以前分析研究所で働いていたので思うのですが、母数が圧倒的に少ないように感じます。
最近は1回成功したら「俺が優秀だから成功した」と言って、メソッドを有料で売りつけるサービスが興盛していますが、その人がもう1回やって成功する保証はないように感じています。
それは、ファスト&スローという心理学の本にも書かれていますが、自分の成功については母数が極小でも気にしないという話につながります。
本書も、ミセス・パンプキン氏の4人の子供を成功したから紹介していますが、それよりも1万人の子供の教育に携わっている評論家などの方が、より精度が高い講評ができるのではないでしょうか。
一流とは高学歴で高収入の親でないと育てられないのではないか、子育てに成功するとはといったことについて考えさせられる書籍でした。