みなさんこんばんは。
今回は世界史大図鑑を読んだ感想を書いていきたいと思います。
歴史について網羅的に書いてあることを期待して読みました。
著者は?
著名な歴史家たちがまとめた図鑑となっています(以下敬称略)。
レグ・グラント(編集顧問)
フィオナ・コワード
トーマス・カッサンス
ジョエル・レヴィ
フィリップ・パーカー
サリー・レーガン
フィリップ・ウィルキンソン
小島毅:日本語版監修
越前敏弥生:訳者
印象に残った内容は?
内容としては、人類の起源(20万年前)から現代(アラブの春など)まで描かれている歴史図鑑です。
ある契機となった歴史的事象を中心に1~4ページほどまとめられているため、読みやすい印象です。
以下印象に残った内容です。
イスラム教が優れていた
ユダヤ人とキリスト教徒は・・・こららの科学文献を翻訳し、自分たちの功績としている・・・が、本当はイスラム教徒による著作である。
ムハンマド・イブン・アフマド・イブン・アブドゥーン 法学者(12世紀初期)
イメージでは、ヨーロッパの方が中東よりも進んでいるように感じますが、中世では、イスラム文化の方が優れていたようです。例えば10進法もイスラム文化から伝わったそうです。
近世ではヨーロッパで産業革命が起こり、ヨーロッパ人が優れていると言う考えのもと、植民地化が進みました。この産業革命の印象が強く、ヨーロッパの方が優れているイメージにつながったのでしょうか。
ヴィンランドサガに関連したヴィンランドの話が書いてある
漫画ヴィンランドサガが好きなのですが、ヴァイキングについての記述も書かれていました。他にもネットフリックスのドラマ、ラストキングダムに関連するデーン人やノーサンブリア王国などの記述も見つけました。
982年、殺人罪でアイスランドから追放された「赤毛のエイリーク」が偶然グリーンランドを発見し、そこに新しい入植地を建設した。北欧サーガによると、その18年後、エイリークの息子であるレイフ・エリクソンが航海中に針路を逸れて、硬葉樹林と野生のブドウが豊かなと土地に上陸し、その土地をヴィンランド(ブドウの地)と名付けたという。
ヴァイキングの船ですが、喫水線が低いため、坐礁することなく浅い川や海岸などをスイスイ移動できたようです。さらには軽いため、陸路では人が船を背負い、船を移動したそうです。
理想の土地ヴィンランドという話にロマンを感じます。
マグナカルタがアメリカ独立に影響を与えた
アメリカの植民地にもこれを(マグナ・カルタ)モデルにした条項を含む憲章があり、独立戦争開始の頃に選ばれたマサチューセッツ州の印章には、片手に剣を持ち、もう一方の手にマグナ・カルタを持つ民兵が描かれている。アメリカで独立の機運が高まったのは、イギリスのすべての臣民が認められるべき基本法を国王が破ったと見なされたからであり、1789年に制定されたアメリカ合衆国憲法も、その2年後に採択された権利の章典も、臣民に対する政府の恣意的な力を制限するマグナ・カルタ大憲章の影響を受けている。
あまり馴染みがないマグナ・カルタですが、1215年6月15日にイギリスのジョン王と反乱諸侯の間で結ばれた臣民の権利を求める主張です。内容として重要なのは、君主から自由を得ることができるという内容です。
今から800年も前に自由を謳った憲章があるのは、驚きです。
クック船長の世界就航
1768年、イギリスの海洋探検家ジェームズ・クックは、近世の太陽面通過の科学的観測のために、タヒチへ向け出帆した。天体観測を終えたクックは、「道の南方大陸」と呼ばれる土地を探して航行を続けた。ニュージーランドの海岸線の地図を作製し、その後は北西に針路をとったところ、オーストラリア大陸の東海岸を発見した。
オーストラリアですが、歴史の本にあまり出てこないように感じます。実際はクック船長が250年ほど前に見つけたようです。なお、初期のオーストラリアはイギリスの囚人の流刑地だったようです。
余談ですが、クック船長は3回目の航海でハワイの原住民に殺されました。
感想
まず読んだ感想ですが、文化的な側面などについて簡潔にまとめられていると感じました。
戦争などについては、さくっと描かれているので、戦いによって何が起こったかという内容程度でした。
戦争の内容について知りたい場合は、前回読んだ「決戦」の世界史を読んだ方が良いように感じました。
300ページに渡り書かれているのですが、内容が多すぎて自分の頭で消化することができませんでした。印象に残った内容も100倍ぐらいありそうでしたが、書くのも大変だったので書けていません。
あとは、私が近世の知識が入っておらず、スターリンや毛沢東、カストロ、ポル・ポトなどの知識が薄いので、ここらへんの知識があれば、現代の歴史を面白くなるのではないかと思っています。
歴史の概要を掴むには良い書籍に感じました。