みなさんこんばんは。
今回は新!働く理由111の名言に学ぶシゴト論。を読んだ感想です。
この本の前著学び続ける理由99の金言と考えるベンガク論。が面白かったので、より最近に書かれた新!働く理由111の名言に学ぶシゴト論。を読もうと思いました。
著者は?
著者は戸田智弘氏です。
現在、著者であり、大学教員であり、キャリアカウンセラーとしても働かれている方です。
印象に残った内容は?
2007年に出版された働く理由を大幅に加筆、改訂した本になります。
働く理由について、多方面の視点から見た内容となります。偉人の名言に、戸田氏が追加で働く理由について説明している書籍です。
今を生きる
井上陽水の『人生が二度あれば』という曲が、ときたまラジオから流れてきた。
でも私は人生が二度あればなどと考えるのはよそう。
今の人生を精一杯生きられない者が、
二度目の人生など生きられるはずがあるだろうか。
詩人・画家 星野富弘
『星野富弘 愛の贈りもの』(学研パブリッシング)
群馬県出身なので、星野富弘さんの言葉が沁みました。
2回目の人生があったとして、今を生きれないものが2回目の人生で精一杯生きられるのか?という内容です。
これは確かにと納得しました。まずは今の人生を精一杯生きましょう。
適職ってなんだろう
「はじめに」で私は、アメリカの心理学者ドナルド・E・スーパーの「仕事とは自分の能力や興味、価値観を表現するものである」を紹介した。彼は、『仕事の重要性研究』(Work Importance Study)で、以下に示す14の労働価値を特定した。労働価値とは要するに「あなたは仕事に何を求めているのか」ということである。
- 能力の活用(自分の能力を発揮できる)
- 達成(良い結果が生まれたという実感が持てる)
- 美的追求(美しいものが創りだせる)
- 愛他性(人の役に立てる)
- 自律性(他からの命令や束縛を受けず、自分の力だけでやっていける)
- 創造性(新しいものや考えを創りだせる)
- 経済的報酬(たくさんのお金を稼ぎ、高水準の生活を送れる)
- ライフスタイル(自分の望むような生活を送れる)
- 身体的活動(身体を動かす機会が持てる)
- 社会的評価(社会に広く仕事の成果を認めてもらえる)
- 冒険性、危険性(わくわくするような体験ができる)
- 社会的交流性(いろいろな人と接点を持ちながら仕事ができる)
- 多様性(多様な活動ができる)
- 環境(仕事環境が心地よい)
~中略~
人は仕事を選ぶとき、自分の人生において何を優先させるのかという価値観を明確にしなければならない。すべてを手に入れることはできない。何を優先させるかという選択は、同時に何をあきらめるかという選択でもある。
ただし、この価値観は固定的なものではない。20代のうちは社会的交流性や冒険性を追い求め、30~40代になると経済的報酬や能力の活用を意識し、50~60代までくると愛他性や環境に目を向けるーというように変化していく人もいるだろう。逆に、若い時から老年に至るまで求めるべき価値観が変わらない人もいる。
この考え方は面白かったです。
自分の順位を書くと、ベスト3とワースト3は以下になりました。
ベスト3
- 創造性
- 自律性
- ライフスタイル
ワースト3
- 経済的報酬
- 環境
- 身体的活動
価値観を明確にすることで、やりたことも明確になるので一度やってみると面白いかもしれません。
豊かな社会に生きる私たちの「やりたいこと」
日本人の若者の多くは「自分のやりたいこと」が分からないと言う。これは豊かな社会に生きている人間の宿命であり、当たり前のことだから、まったくうなだれる必要はない。理由は2つである。
一つ目は欠如条件がはっきりないこと、分かりやすくいえば「具体的な不幸」がないからだ。「具体的な不幸」とは、食糧、住居、衣服などの最低限必要な消費物資や、安全な飲料水、衛生設備、公共輸送手段、保険、教育などといった「人間としての基本的ニーズ」が欠如していることだ。もしも、自分の生活の中でこういう「具体的な不幸」を実感できれば、その不幸を埋め合わせるためにどうしたらいいかを考え、その中から必然的に「やりたいこと」が出てくるはずだ。
二つ目は価値基準、すなわち「何を好ましいと考えるのか」という基準がはっきりしなくなったことだ。貧しい時代の価値観は物質的に豊かになることだった。豊かな時代になると「物質的な豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める人が増えてくる。心の豊かさとは非常にあやふやな言葉で、「物質的な豊かさ」ではないないものかと言う程度の意味しかない。「心の豊かさ」を求めるという目的の延長線上に自分の「やりたいこと」をー趣味や遊びならともかく仕事としてー明確にするのは簡単ではない。
この文章を読み、なるほど今の若者はやりたことがないのかと思いました。
私の場合は、いじめを受け小学校は行ってない時期があったので、教育が足りないと感じています。
しかし、豊かな生活を送っている人は、何も為すべきことはないと言います。不足した環境に身を置くことで、何か見つかるものがあるかもしれませんね。
最初の仕事はくじ引き
黒田真行は『転職に向いている人、転職しては行けない人』(日本経済新聞出版社)の中で転職の回数と転職の成功率について次のようなデータを示している。
2回目までの転職ー学校を卒業して最初に入る1社目の会社から数えて、3社目の会社への転職ーはでは成功率に大きな影響はない。しかし、3回目以上の転職になると成功率は下がっていく。その上で黒田は「石の上にも三年」という言葉に囚われて転職を思いとどまる必要はなくて、最初の就職から3社目までに自分が長く働けるような場所を見つけるように努力すべきだという。
前の会社で12回転職したという人がいました。
この文章を読むと、もう安寧の地は見つからなそうですね。
結婚と同じで、理想を高く持つと、永遠と天職も見つからないように感じます。
自分は、自分ではなく他人が決める
失敗できないコメディアンは成功できない。(中略)
彼は民主的に、自分の判断より観客の反応のほうを信じている。
作家 エリック・バーガー
『残酷すぎる成功法則』(飛鳥新社)
アメリカのコメディアンも日本のお笑い芸人も、小さな舞台でたくさんの失敗を積み重ねながら一つの作品を仕上げていくことはあまり知られていない。観客の前でネタを披露し、受けたネタは残すが、受けなかったネタは棄てる。こういう作業を何回も何回も続けながら、爆笑に次ぐ爆笑の作品を完成させていく。
受けなかったネタは観客から見れば失敗である。しかし、演者は失敗で落ちこむわけではない。演者にとってそれは客の反応を見るための”実験”にすぎない。
なぜ”実験”をするのか?受けるか受けないかは演者自身には分からないからだ。受けると思ったネタがまったく受けないこともあれば、逆に受けないと思ったネタが大きな笑いをとることもある。自分よりも他者(観客の反応)、ひとよりもたくさんの人の判断を頼りにするのである。自分はどんなコメディアンなのか、自分はどんな芸人なのかというのは自分で決めるのではなく、観客が決めるということだ。
これも心にきました。
失敗してナンボの世界ですね。私も現在Youtubeをやっていますが、失敗の連続です。ただ、こういった文章を見ると、失敗も良いことなの自分を奮い立たせることができます。
「巨人の肩の上に立つ」
そのときの思いをもう少しわかりやすく説明しよう。大学での研究、会社での研究のどちらも私がやっても、別の人間がやっても得られる結果は同じではないか。もちろん、研究室にとって、あるいは会社にとって私が研究を進めることで一つの結果が得られ、それは組織にとって価値のあることだ。しかし、私にとってそれはどれくらい価値あることなのか。卒業に必要な単位を取得するため、給料をもらうためというだけの価値しかないのではないか。そういう生意気なことをぼんやりと思っていた。
あれから30年ちょっとー。今にして思えば、私は考え違いをしていた。50代の私は20代の私にこう言いたい。「10年、いや20年早いよ」。いきなり「自分にしかできないこと」なんてできるはずない。
私もこれと全く同じことを思っていたので、会社を辞めました。
前の会社では、東大、大阪大、広島大などを卒業してきた優秀な人たちがいました。地方国立大の私は、一体いる意味があるのだろうか?その人たちが仕事をすれば、自分は必要ないのではないかと思っていました。
自分にしかできないこと、自分の価値が最大限生かせることを探すために会社を辞めました。果たしてそれが正しいかわかりませんが、その選択を正しいものにするために努力していきたいと思います。
やらなければならないこと
やりたいことは、やらなければいけないことの向こう側にあるんだよ。
教育者 陰山英男
『人生にとって意味のある勉強法』(PHP新書)
隂山は教育現場でいつも子どもたちにこの言葉を伝えてきたという。普通の子どもたちにとって勉強はやりたいことではない。しかし、「やりたいことでないからやらないでいい」ということにはならない、そこでこの言葉が出て来る。陰山は「やりたいことはやらなければならないことの向こう側にある。だから今やるべき勉強をやりなさい」と勉強する意義を伝えてきた。
これは子供に勉強する意義を教えるときに参考になりそうです。
子供の時にはやりたくないもので溢れていますし、やりたいことでも溢れています。しかし、やるべきことをやらないと、将来はやりたいことはできなくなってしまいます。
非常に参考になりました。
自信と謙虚
努力して結果が出ると、自信になる。
努力せず結果が出ると、おごりになる。
努力せず結果も出ないと、後悔が残る。
努力して結果が出ないとしても、経験が残る。
努力をしてその日を迎えたんだったら、
何も残らないことはないから行っといで。母
山里亮太(お笑い芸人)の母親 山里文代
山里亮太はその日、仕事で落語を披露する予定だった。不慣れな落語に不安と緊張を募らせた彼は、お母さんにLINEで弱音を吐いた。そのときに返ってきたのがこの文言だったという。最初の4行は出所不明の名言、その後にお母さんの言葉が付けくわえられている。
お母様の聡明な感じが伝わります。
山里氏が、女優の蒼井優と結婚する際も、記者に詰め掛けられて余計なことを言ったと気に病んでいるという記事を読みました。
このような機転が聞き、子供の力になれるような親になりたいものです。
メンバーシップ型とジョブ型
欧米社会では、企業の中の労働をその種類ごとに
職務(ジョブ)として切り出し、その各職務を遂行する
技能(スキル)のある労働者をはめ込みます。(中略)これに対して
日本社会では、企業とはそこに人をはめ込むべき職務の束ではなく、
社員(会社のメンバー)と呼ばれる人の束だと考えられています。
労働研究者 濱口桂一郎
『働く女子の運命』(文春新書)
濱口の解説をまとめてみる。欧米では社員を募集するとき、旋盤操作のできる人、経理事務のできる人、法務のできる人というように情報を流し、特定の職務の欠員を募集するという形で新入社員を組織に招き入れる。職に就くのであるから、言葉の正確な意味で就職することになる。スキルを持っていることが採用の前提なので、そのジョブを遂行するのに必要なスキルに対応する賃金が初めから支払われる。
これに対して日本では、新しく組織に入ってくる社員は、欧米とは違って特定の職務を遂行するために採用されるのではない。さまざまな職務を企業の命令に従って遂行することを前提に、たとえ入社段階でその職務ができなくても将来においてさまざまな職務をこなしていけそうな人を、新卒一括採用で「入社」させる。欧米のような「就職」ではなくて、実際には「就社」なのだ。したがって、多くの場合どんな職務をやらされるかは、入社後の配属命令を受けるまで分からない。会社は社員に長期雇用を保障し、その見返りに社員は企業の言うがままに転勤や配置転換を受け入れる。そういうトレードオフ関係が成り立っている。
標準モデルの縮小、周辺の拡大
いい大学に行って、いい会社や官庁に入ればそれで安心、という時代が終わろうとしています。それでも、多くの学校の先生や親は、「勉強していい学校に行き、いい会社に入りなさい」と言うと思います。勉強していい学校に行き、いい会社に入っても安心なんかできないのに、どうして多くの教師や親がそういうことを言うのでしょうか。それは、多くの教師や親が、どう生きればいいのか知らないからです。勉強していい学校に行き、いい会社に入るという生き方がすべてだったので、そのほかの生き方がわからないのです。
小説家 村上龍
『13歳のハローワーク』(幻冬舎)
よい高校に入る→よい大学に入る→よい会社に入る→その会社で真面目にこつこつ働くーこの流れに乗ることが最も安心できる人生につながる。そういう固定概念をつい先頃まで多くの人が持っていた。もちろん、よい学校に入ってそこでよい教育を受けることはその後の人生にとってよいことだと私は思う。
しかしながら、「よい会社に入る→その会社で真面目にこつこつ働く」という論理はもう適用しないだろう。この場合のよい会社とは「世間で名の通った大きな会社」という意味である。そういうよい会社に入って、そこで真面目にこつこつ働いたとしても昔のように定年まで安心して働き続けられる保障はもはやない。
この前にLIFE SHIFTという本を読みましたが、働き方が変わってきていることを実感しました。
上記文は確かに、今の人の生き方を前時代の人がわかるはずがないのです。私個人の意見ですが、大学は行く必要がなかったなと思っています。
その大学の授業料を、留学などに使っていれば、より面白い人生を送れたと感じています。
感想
世の中の金言がまとめられています。
私自身、他の人の影響を受けやすいので、こういった偉人たちの言葉を聞くことでやる気がでます。
もちろん偉人たちばかりではなく、南海キャンディーズ山里氏の母親の言葉などもあります。
どの言葉も心に響くものが多かったです。
人生で道に迷ったり、やる気がなくなった時に読むと、元気が出そうな本でした。